貴石奇譚

貴様二太郎

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百花の章 ~廻る貴石の物語~

28.輪廻転生

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「賢者の石、みたいだ」

 マレフィキウムのつぶやきに、ミラビリスとパーウォーが駆け寄ってきた。ミラビリスはパエオーニアをざっと診察すると、ほうと安堵のため息をもらす。

「左目の石が変わった以外は、今のところ異常はなさそう。あとは経過を見なが――」

 ミラビリスの声をかき消したのは、ガタンという重い何かが床に落ちた音。音のした方、部屋の中央に設置された天体観測機アストロラーベへと全員の視線が向かう。

「待っていた、この瞬間を!」

 大きな音の正体、それはトリスが眠る硝子の棺のふたが落とされた音だった。棺のふたを開けたのはテオフラストゥス。その顔に浮かんでいたのは、まぎれもない喜びの色。そんな彼が掲げていたのは、小さな小さな白い花。

「エンブリュオンの再誕の加護のもと、私とトリスも生まれ変わる! この寒白菊かんしろぎくの『輪廻転生りんねてんせい』によって!!」 

 テオフラストゥスの高らかな宣言と同時に、寒白菊からまばゆい光が放たれた。再び真っ白な光に塗りつぶされる室内。直後、それまでゆるやかに回転していた天体観測機の円環が急速に回転し始めた。
 耳鳴りのような甲高い音とごうんごうんという低い音、歯車がきしむぎちぎちといった音に虫の羽音のような振動音、無数のからくりたちの絶叫が部屋中に渦巻く。
 長いような短いような、混沌こんとんとした一瞬。そしてようやく光が収まった部屋の中には――

「いったい何が起き……て!?」

 いち早く立ち直ったのはカストール。しかし彼は腕の中のミラビリスを見た瞬間、すっとんきょうな声を上げた。

「ミラ、大丈夫か?」
「ちょっと、痛いから! もう、どうしたっていうのよ」
「いや、だって……髪が」

 急に腕を強く掴まれたため、ミラビリスは戸惑い顔でカストールを見上げていた。けれどそのミラビリスより、カストールの方がよほど戸惑っていて。

「髪? 私の髪がどうか……って、なんで!?」
 
 今度はミラビリスがすっとんきょうな声を上げた。頬の横の髪を無理やりひっぱって確認した彼女は、変わり果てた自分の髪にそれ以上声も出せず。
 胡桃くるみ色だったミラビリスの髪は、ファートゥムたちと同じ白菫しろすみれ色になっていた。

「ミラビリスさんの素体はトリスとテオフラストゥス……だからきっと、それが本来の色だったんだと思う。だって、トリスはもともとわたしたちと同じ一族。白菫の髪に翡翠の瞳、それがわたしたち記憶転移の一族の色だから」

 静かに進み出てきたプリムラがミラビリスを見上げた。白菫色の髪の彼女は、さらに続ける。

「たぶん、なんですけど。テオフラストゥスかトリスが、あなたに変化の魔法をかけていたんだと思います。だから今、それが解けたってことは……」

 最後は言葉を濁し、プリムラは硝子の棺へと顔を向ける。つられるようにそちらへと顔を向けるミラビリスとカストール。すると硝子の棺の前、そこにはしゃがみ込んだファートゥムがいた。彼は振り返ると、首を横に振った。

「これはこれは。まったく、してやられましたね!」

 カツンと石の床を踏み鳴らす音と同時に聞こえてきたのは、大いに芝居がかった聞き覚えのありすぎる声。できることならばもう二度と聞きたくないと全員が思っていた、赤い悪魔の声。その場にいた全員が、一斉に声の方へと目を向けた。

「お久しぶりです、皆様方。またお会いできて不肖ふしょうエテルニタス、まさに感激の極み」

 派手派手しい額縁から現れたのは、これまた派手派手しい赫赫かくかくの悪魔。相も変わらぬ白々しい口上で場の空気を冷たくすると、彼は天体観測機と硝子の棺へと向き直った。

「エテルニタス、私たちは招かれざる客なのですよ。少しは控えなさい」

 続いて現れたのは白い老女、千里眼のペルフォラツマ。彼女はあのときと同じ、まっさらな球体関節人形が押す車いすに乗って現れた。
 きぃきぃ、カツカツ。赤と白の二人が硝子の棺へと向かう。

揺籃ようらんの錬金術師殿におかれましては、本当に本当に……本当にやってくださいましたねぇ」

 硝子の棺の中、永遠の眠りについたトリスに覆いかぶさるように、同じく眠りについたテオフラストゥス。うつぶせのもう動かないテオフラストゥスに、エテルニタスは彼にしては珍しく、あからさまに不快だと眉をひそめた。

「エテルニタスさん、今度は何しに来たの?」

 ファートゥムが警戒心もあらわにエテルニタス、そしてペルフォラツマを見上げた。

「何と言われましても。私は代償を回収しに来ただけです」
「私は、私の導き出した予言の結末を見届けに参りました」

 赤と白がそれぞれ答える。そして赤い方、エテルニタスは一切の躊躇ちゅうちょなく、棺にもたれかかっていたテオフラストゥスを足蹴あしげにしてどかした。

「何するんですか!」

 慌てて駆け寄ってきたのはミラビリス。テオフラストゥスと親子としての情があるのかと問われれば首をかしげる彼女だが、少なくともこの四十日間、共にパエオーニアを作り上げた仲間としての情程度は芽生えていた。

「ですから、代償を回収しに来たのですよ。とはいえ、本来の代償は回収し損ねてしまったので、これは代替品だいたいひんとなりますが」

 エテルニタスが回収しに来た代償。瞬時にミラビリスの中で過去の記憶がよみがえる。

「トリスの目覚めと同時に、テオフラストゥスがその生を終えることを代償に……」

 ミラビリスのつぶやきにエテルニタスの片眉が跳ね上がった。

「ああ、天体観測機に見せられたんでしたっけ。ええ、ええ、そうですとも! それも代償の一つだったんです。だというのに」
「なら、代償は回収できたんじゃないの? だって、この人は、もう……」

 うつむき、言いよどむミラビリス。その視線の先、床にあおむけで倒れているテオフラストゥスは、もう息をしていない。

「ううん、できてないよ。だって、もしその代償が回収されてしまってたら、ミラビリスたちは今、ここにこうやって立ってないはずだから」

 ミラビリスに答えたのはマレフィキウムだった。パーウォーにパエオーニアを預け、そのまま会話に加わる。

「でしょ? 額装さんってば、ほーんと歪んでるよねぇ」
「歪んでいるとは心外ですね。私はただ、自分に素直なだけですよ」
「物は言いようだねぇ。でもやっぱり、相当歪んでると思うよ。だって、トリスは目覚めたら死ぬし、トリスが目覚めたらテオフラストゥスは死ぬし、トリスが死んだら天体観測機が止まってミラビリスも死ぬ。ミラビリスが死んだらついでにカストールも死ぬ。死、死、死、死、そればっかり」

 エテルニタスはマレフィキウムの嫌味にも涼しい笑みを返すだけで、まったく悪びれた様子など見せることなく。そのまま銀髑髏の杖を使い、変化が解けて元の色に戻ったトリスが横たえられた棺の回収に入った。

「二人は確かに死んじゃってるのに。じゃあ、天体観測機はなんでまだ動いてるの?」

 ファートゥムは頭上でいまだ稼働中の天体観測機を見上げた。その質問に苦笑いを返したのはマレフィキウム、不満顔を返したのはエテルニタス。

「たぶんねぇ……僕があげた寒白菊のせい、かな」
「ええ、ええ! おかげで私の方は、契約の代償変更を余儀なくされました。まったく、百禍の魔法使いとはよく言ったものです」

 憤慨するエテルニタスの隣から、今まで黙って見ているだけだったペルフォラツマが出てきた。

「予言の最後、『そして裏切者は星を掴むだろう』。これの意味するところを知りたくて、私はエテルニタスと取引をしました。予言の結末が訪れる時代まで生き残るため私の時を止める。それと引き換えに、私は彼にこの予言を玩具オモチャとして与えました」

 ペルフォラツマは天体観測機を見上げると、赤虎目石の予言そらんずる。

 非業ひごう赤虎目石レッドタイガーズアイが引き起こすは、運命の破壊と創造。
 明けぬ夜のおとずれと共に大地は人を受け入れ、瞳は微睡みの中静かに時を刻む。
 すべては別たれた魂を再び一つにするため。石は運命を破壊し、創造する。
 時が満ち、運命を開いた花は薔薇により眠りから目覚め、加護から放たれた百花は咲き崩れ、そして裏切者は星を掴むだろう。

 遠い昔、赤虎目石の石人が半身を求め森を出た。けれど彼はからくり王子により半身とわかたれ、さらには鉄人形へと姿を変えられた。まさに非業の死。そしてそれが、すべての始まり。
 彼の加護の力は生きているときにはなんら効力を発さない、かなり特殊で厄介な力だったから。

 力の発現――その引き金は、非業の死。

 主の命と無念を代償に、石は運命を捻じ曲げ、末期まつごの願いを叶えるべく動き出す。
 石人の森でホムンクルスの集団自殺を引き起こし、彼らの模倣賢者の石を代償に森を明けぬ夜へと染めあげた。そして石は姿を変え、静かに時を刻む。
 すべては別たれた魂、半身の魂が再びこの世界に生まれ変わる運命の日を迎えるために。

「『星を掴む』とは、天体観測機のことを表していたのですね」
「テオフラストゥスはねぇ、僕のあげた寒白菊からよりにもよって『輪廻転生』を引き出したんだ。ありったけの魔力を、それこそ自分やトリスの中の賢者の石も使って、無理やり仮初かりそめの転生を引き起こしたんだと思う。そんな反則技で自分たちの魂を、天体観測機へと固定した」
「ええ、ええ、その通り! 今あの二人の魂は、このガラクタの中に入っています。まったく、ひどい話です」

 マレフィキウムたちの解説に唖然とする一同。けれどまた、いち早く立ち直ったのはカストールで。

「一つ確認したいんだが。この天体観測機とやらは、いったいいつまで稼働できるんだ?」

 カストールの質問、それはミラビリスの寿命に関わることだった。
 天体観測機の稼働停止、それはミラビリスの死へと直結する。もし天体観測機がすぐ止まってしまうのならば余命いくばくもないということになるし、永遠に動き続けるとなると今度は死ねないということになる。カストールの言わんとすることを察したミラビリスの顔から一気に血の気が引く。

「このまま何もしなければ、いつかはわからないですけど、必ず止まる時が来ると思います。何もしなければ、ですけど」

 新たに会話に加わったのはプリムラ。彼女はミラビリスと目が合うと、「安心して」と微笑んだ。

「天体観測機は、古代の技術を使った時代錯誤遺物オーパーツ。賢者の石をいくつも使った、人の命を燃やして動く機械。燃料は魔法使いから作られる賢者の石、もしくは魔法使いを原料としたホムンクルスから作られる模倣賢者の石。これは悪食あくじきだから、それ以外は食べないの。だからこのまま放っておけば、テオフラストゥスのいなくなった今、いずれ動かなくなる」

 プリムラの説明で、ミラビリスの顔に生気が戻ってきた。永遠の生、それはミラビリスが最も恐れていたものだったから。
 そして同時に、ミラビリスは理解した。テオフラストゥスが魔導研究所でホムンクルスたちを石にしていたのは、天体観測機の燃料にするためだったのだと。そして自分は、その残酷な所業のおかげで今、こうして生きているのだと。

「トール。天体観測機は、もう……これ以上は、絶対」
「わかってる。でもミラ、自分を責めないで。きみは悪くない、悪くないから」

 カストールはミラビリスを抱きしめると、呪文のように彼女の耳元で「悪くない」と何度も囁き続けた。

「では、代わりの代償はいただいたことですし。私たちはこれでおいとまするといたしましょう。皆々様、機会があればまたお会いしましょう。それでは」

 赫赫かくかくの悪魔は、トリスの亡骸と白い老女と共に額縁の中に消えていった。場を、かき回すだけかき回して。
 残されたマレフィキウムたちは、ひとまず部屋の中を片付けることにした。テオフラストゥスの亡骸を埋葬し、散らばっていた器具の破片をとりあえず部屋の端に寄せ。それらが一通り済んだところで、皆は示し合わせたかのように天体観測機の前へと集まった。

「パエオーニアさん、体の方はどうですか? 少しでも何か変だと思ったら、すぐ言ってくださいね」
「私は大丈夫。それより、あなたの方が大丈夫じゃなさそうだよ? 私のことはいいから、ちゃんと休んで」
「……うん、ありがとう。でも、なんか動いてた方が気がまぎれるっていうか、なんて言うか」

 琥珀の瞳と赤の瞳が、互いを気遣い交差する。そこへ翡翠の瞳、プリムラが加わった。

「ミラビリスさん、本当に体、休めた方がいいですよ。それとここから帰ったら、もう一度ちゃんと自分の体を調べてください。まさかとか、絶対ないっていうのを、全部取り払って」
「でも……」
「だから、全部取り払って。ミラビリスさん、あなたの相手は石人なんですよ。彼らの執着は、本当に尋常じんじょうじゃないんです」

 プリムラは苦笑いすると、少し離れた場所でマレフィキウムたちとじゃれあっているファートゥムを見た。

「それと、パエオーニアさん。たとえ半分でも石人は石人。だからきっと、あなたもいずれ……」
「私も?」
「あなたも、自分はホムンクルスだから絶対ないなんて思わないで。石人たちはそんなもの、軽く超えちゃいますから」

 プリムラの思わせぶりな助言にミラビリスは顔を赤くしたり青くしたりと落ち着きを失い、パエオーニアはわけがわからないと首をかしげる。そんな二人の反応にプリムラはくすりと笑みをこぼすと、「石人っていうのは、本当に想定外なんですよ」とだけ言い残し、ファートゥムの隣へと帰っていった。
 
 半日を過ぎても、一日を過ぎても、パエオーニアは消えなかった。賢者の石は青薔薇の魔法により、パエオーニアの左目に宿った。だからもう、彼女は二度とフラスコの中には戻らない。

 この先、死がふたりを分かつまで、パエオーニアはマレフィキウムの隣で歩き続ける。
 
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