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2周目
Ⅲ.時の翁は大鎌を薙ぐ
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モルタの屋敷から王宮に戻ると、真っ先に捜査資料を持ち出した証拠隠滅をした。クソ師匠にバレると雷くらうからな。
さて。さっきは「りょーかい」なんて言ったものの、ほんとはモルタ巻き込みたくないんだよなぁ。なんか、すっげーやな予感する。モルタをアイツに近づけちゃいけない気がする。
マールスの月一日。
「おい、クソガキ。お前、うちのかわいいモルタちゃんを何に巻き込みやがった」
仕事場に来たらいきなりクソ師匠――スムマーヌス・パルカエ魔術師団団長――に捕まった。しかもこれ、色々バレたな。モルタは嘘つけないもんなぁ。
「いやぁ、俺もできることなら遠ざけたかったんですけど……成り行きで?」
「お前もか! で、どうするつもりだ。いちおうお前や私に任せるようには言い聞かせたが」
「了承したのなら大丈夫でしょう。モルタは約束したことなら絶対守りますもん」
「何を知ったようなことを。そんなこと私の方がわかってる。十七年、あの子が生まれたときから一緒に暮らしているんだからな」
くっ……得意げな顔がムカつく。
「ふん、そんなこと言ってられるのも今のうちですよ。結婚したらモルタは俺と一緒に暮らすんですからね。クソ師匠は十七年どまりですが、俺はこれからあと八十年以上一緒にいるつもりなんで」
「クソガキ、おまえいくつまで生きるつもりなんだ? 世間様に迷惑だからなるべく早く逝けよ」
「モルタが生きてる間は絶対死にません。死んでも離れませんから。それはさておき、ちょっとお話が」
「死んだら離れろ、悪霊予備軍め。わかった。団長室来い」
団長室に入ると、即座に防音の結界を張った。
「お前なぁ。結界に綻びや穴があったのなら早急に報告するのが――」
「サボれなくなるじゃないですか、嫌ですよ。まあそんなことは置いといてですね」
「王宮の警備の不備をそんなこと呼ばわりとはいい根性だな、クソガキ。あとでおぼえてろよ」
「三下の小悪党ですか。で、王女の件ですが」
モルタがやたら気にしてる王女の件。まだ理由を話してくれないから、どうしてそこまで気にするのかとか詳しいことはわからないんだけど。
「魔術師団の調査でも、やはり別の魂が入りこんでいるのではないかという結果になりました。百二十年前の事件と同じように、女神ラウェルナが関係しているようです」
「女神ラウェルナか……厄介な相手だな。調和せし十二神を始め、各神殿にも協力を打診してはいるが」
「神々は気まぐれですからね。どの神が手を差し伸べてくださるか」
「まさに神のみぞ知る、だな」
神同士で勝手に争ってりゃいいものを、なんで人を巻き込むかな。まあ、術を使うのに力を借りてるから、神同士の争いが起きて消滅されてもそれはそれで困るんだけど。
「可能性としてはヤーヌス神が一番高い。が、百二十年前は介入しなかったのを考慮すると、なんらかの条件があるのかもな」
「その条件がわかればヤーヌス神を動かすこともできるんでしょうけど。なんなんでしょうね、条件」
「それがわかれば苦労してない」
そういえば最近、古文書に名前だけあったヤーヌス神の術をようやく復元したんだよな。趣味でやってたやつだからまだクソ師匠にも言ってないけど。
まあ、今回の王女の件には使えないし、そもそも代償がデカすぎるし、使いどころわかんないんだよな、これ。
「ああ、それと。クソガキ、今後アブンダンティア様のおそばでラウェルナの術を使うんじゃないぞ」
「あー、ですね。俺、すでに結構使っちゃってますけど」
「念のため今後は一切使うな。もう手遅れだったときには諦めろ。モルタにはもっといい男を紹介してやるから安心して女神の元へ行け」
「おれの女神はモルタだけなんで。ウェヌスが来てもお断りですよ。だからモルタに他の男紹介なんてしたら攫って世界の果てまで逃げますからね」
「そのときは地の底まで追いかけていくから覚悟してろ、クソガキ」
クソ師匠との話が終わったちょうどそのとき、王女からの使いってやつが来た。また呼び出しだよ。行きたくねー。
「サートゥルヌスぅ、寂しかったぁ」
断ろうとしたらモルタの名前出しやがって。やっぱコイツ抹殺した方がよくねぇか。
「ねえ、こっち来てぇ」
冗談じゃねぇ。ベッドで待ち構えてるとかやる気満々じゃねーか。こいつ確か十三だったよな。中に入ってるやつは大人だとして、子どもの体乗っ取ってこんなことするとか何考えてんだよ。
だいたい王族は結婚するまで純潔を守らなきゃなんないんじゃなかったか。ほんと何考えてんだか。
「殿下、私には婚約者がおります。彼女に誠実でありたいので、どうかご容赦を」
「だから婚約破棄しちゃいなよ。あたしも協力するから。ね?」
殺してぇ。ようやくこぎつけた婚約、破棄なんざされてたまるか。
「お断りいたします。……つーか、いい加減うぜぇ。俺がオマエなんかと結婚するわけねーだろ」
「出た! 裏サートゥルヌス‼ てことは、もしかしてこれイベント?」
何言ってんだコイツ。
「サートゥルヌス、大丈夫だよ! あたしはそんなあなたも大好きだから」
「意味わかんねぇし気持ち悪いんだよ、オマエ。いい加減俺に関わんのやめろよ。何言われても俺はオマエとなんかぜってぇに結婚しねぇ」
「きゃーーーーサートゥルヌスの生罵声ーーー‼ ……はぁ、破壊力半端ないわぁ。R18だったら絶対言葉責めタイプでしょ、これ」
やべぇ……コイツ絶対頭おかしい。
それと、さっきからすっげぇ嫌な気配がする。これはまずい。この気配は、おそらく女神本人が介入してきやがる。
盗人の女神ラウェルナ。こいつ本体に心を盗む魅了の力でも使われたら、たかが人である俺じゃ敵わない。でも、俺はモルタ以外の女に心を持っていかれるなんてぜってぇやだ‼
「出入り口と扉の神ヤーヌスよ。我が心の扉を悪しき力より守護したまえ」
なんもしねぇよりゃマシだろ。頼むぜ、ヤーヌス様!
※ ※ ※ ※
最悪だった。
見えてんのに、聞こえてんのに、体だけが思い通りに動かねぇ。ヤーヌス様のおかげで完全支配は免れたが、体の支配権はほぼ女神のもの。今の俺は、目の前で次々と起こる最悪を見てることしかできない。
「サートゥルヌス、婚約破棄おめでとう!」
「ありがとうございます」
ふざけんな! 苦労して苦労して、やっとこぎつけた婚約だったんだぞ‼
「あたしたち、これでようやく……」
気持ち悪ぃ、触んな! 見ろよ、お前のせいで完全鳥肌じゃねぇか。俺から離れろ、汚ねぇ悪霊が。
「サートゥルヌスぅ……ねぇ、もういいでしょ?」
いいわけねぇだろうがボケ‼ いくらテメェが発情してもこっちは勃たねぇんだよ。触んなクソ! モルタ以外に反応するわけねぇだろが。
「殿下、陛下がお呼びです」
「アイアース! せっかくいいところなんだから邪魔しないでよ」
「私としても大変心苦しいのですが、このままだと殿下のお立場が少々……。御所望のものはもう手に入れられたのですし、先に邪魔なものを片付けてしまった方がよろしいかと」
「邪魔な……そうね。そういえば、ヒドインちゃんにざまぁもしないとだしね」
俺を見てニタニタと厭らしい笑みを浮かべたあと、悪霊女はアイアースと一緒に出てった。悪霊女が離れて少しだけ体の自由が戻ってくる。
「あのクソ女、ベタベタ触りやがって。よし、今のうちに……純潔を司る女神ディアナよ。我が身の純潔を守りたまえ」
下腹部に女神ディアナの魔法陣を刻みこむ。
よし、これで結婚までは清い体を保つ契約完了、と。あーーー、クソが‼ なんでこんな術使わねぇとなんねぇんだよ。本来なら今頃モルタと……いや、モルタ真面目だから結婚までは絶対許してくれなさそうだな。いやでも、もしかしたら本番はだめでも……うがーーー、クソっ! 俺のめくるめく愛欲の婚約期間が‼
そんなこんなでなんとか悪霊女の魔の手からモルタに捧げるための純潔を守り抜き、俺は運命の日――ユーノーの月二日――を迎えた。
さて。さっきは「りょーかい」なんて言ったものの、ほんとはモルタ巻き込みたくないんだよなぁ。なんか、すっげーやな予感する。モルタをアイツに近づけちゃいけない気がする。
マールスの月一日。
「おい、クソガキ。お前、うちのかわいいモルタちゃんを何に巻き込みやがった」
仕事場に来たらいきなりクソ師匠――スムマーヌス・パルカエ魔術師団団長――に捕まった。しかもこれ、色々バレたな。モルタは嘘つけないもんなぁ。
「いやぁ、俺もできることなら遠ざけたかったんですけど……成り行きで?」
「お前もか! で、どうするつもりだ。いちおうお前や私に任せるようには言い聞かせたが」
「了承したのなら大丈夫でしょう。モルタは約束したことなら絶対守りますもん」
「何を知ったようなことを。そんなこと私の方がわかってる。十七年、あの子が生まれたときから一緒に暮らしているんだからな」
くっ……得意げな顔がムカつく。
「ふん、そんなこと言ってられるのも今のうちですよ。結婚したらモルタは俺と一緒に暮らすんですからね。クソ師匠は十七年どまりですが、俺はこれからあと八十年以上一緒にいるつもりなんで」
「クソガキ、おまえいくつまで生きるつもりなんだ? 世間様に迷惑だからなるべく早く逝けよ」
「モルタが生きてる間は絶対死にません。死んでも離れませんから。それはさておき、ちょっとお話が」
「死んだら離れろ、悪霊予備軍め。わかった。団長室来い」
団長室に入ると、即座に防音の結界を張った。
「お前なぁ。結界に綻びや穴があったのなら早急に報告するのが――」
「サボれなくなるじゃないですか、嫌ですよ。まあそんなことは置いといてですね」
「王宮の警備の不備をそんなこと呼ばわりとはいい根性だな、クソガキ。あとでおぼえてろよ」
「三下の小悪党ですか。で、王女の件ですが」
モルタがやたら気にしてる王女の件。まだ理由を話してくれないから、どうしてそこまで気にするのかとか詳しいことはわからないんだけど。
「魔術師団の調査でも、やはり別の魂が入りこんでいるのではないかという結果になりました。百二十年前の事件と同じように、女神ラウェルナが関係しているようです」
「女神ラウェルナか……厄介な相手だな。調和せし十二神を始め、各神殿にも協力を打診してはいるが」
「神々は気まぐれですからね。どの神が手を差し伸べてくださるか」
「まさに神のみぞ知る、だな」
神同士で勝手に争ってりゃいいものを、なんで人を巻き込むかな。まあ、術を使うのに力を借りてるから、神同士の争いが起きて消滅されてもそれはそれで困るんだけど。
「可能性としてはヤーヌス神が一番高い。が、百二十年前は介入しなかったのを考慮すると、なんらかの条件があるのかもな」
「その条件がわかればヤーヌス神を動かすこともできるんでしょうけど。なんなんでしょうね、条件」
「それがわかれば苦労してない」
そういえば最近、古文書に名前だけあったヤーヌス神の術をようやく復元したんだよな。趣味でやってたやつだからまだクソ師匠にも言ってないけど。
まあ、今回の王女の件には使えないし、そもそも代償がデカすぎるし、使いどころわかんないんだよな、これ。
「ああ、それと。クソガキ、今後アブンダンティア様のおそばでラウェルナの術を使うんじゃないぞ」
「あー、ですね。俺、すでに結構使っちゃってますけど」
「念のため今後は一切使うな。もう手遅れだったときには諦めろ。モルタにはもっといい男を紹介してやるから安心して女神の元へ行け」
「おれの女神はモルタだけなんで。ウェヌスが来てもお断りですよ。だからモルタに他の男紹介なんてしたら攫って世界の果てまで逃げますからね」
「そのときは地の底まで追いかけていくから覚悟してろ、クソガキ」
クソ師匠との話が終わったちょうどそのとき、王女からの使いってやつが来た。また呼び出しだよ。行きたくねー。
「サートゥルヌスぅ、寂しかったぁ」
断ろうとしたらモルタの名前出しやがって。やっぱコイツ抹殺した方がよくねぇか。
「ねえ、こっち来てぇ」
冗談じゃねぇ。ベッドで待ち構えてるとかやる気満々じゃねーか。こいつ確か十三だったよな。中に入ってるやつは大人だとして、子どもの体乗っ取ってこんなことするとか何考えてんだよ。
だいたい王族は結婚するまで純潔を守らなきゃなんないんじゃなかったか。ほんと何考えてんだか。
「殿下、私には婚約者がおります。彼女に誠実でありたいので、どうかご容赦を」
「だから婚約破棄しちゃいなよ。あたしも協力するから。ね?」
殺してぇ。ようやくこぎつけた婚約、破棄なんざされてたまるか。
「お断りいたします。……つーか、いい加減うぜぇ。俺がオマエなんかと結婚するわけねーだろ」
「出た! 裏サートゥルヌス‼ てことは、もしかしてこれイベント?」
何言ってんだコイツ。
「サートゥルヌス、大丈夫だよ! あたしはそんなあなたも大好きだから」
「意味わかんねぇし気持ち悪いんだよ、オマエ。いい加減俺に関わんのやめろよ。何言われても俺はオマエとなんかぜってぇに結婚しねぇ」
「きゃーーーーサートゥルヌスの生罵声ーーー‼ ……はぁ、破壊力半端ないわぁ。R18だったら絶対言葉責めタイプでしょ、これ」
やべぇ……コイツ絶対頭おかしい。
それと、さっきからすっげぇ嫌な気配がする。これはまずい。この気配は、おそらく女神本人が介入してきやがる。
盗人の女神ラウェルナ。こいつ本体に心を盗む魅了の力でも使われたら、たかが人である俺じゃ敵わない。でも、俺はモルタ以外の女に心を持っていかれるなんてぜってぇやだ‼
「出入り口と扉の神ヤーヌスよ。我が心の扉を悪しき力より守護したまえ」
なんもしねぇよりゃマシだろ。頼むぜ、ヤーヌス様!
※ ※ ※ ※
最悪だった。
見えてんのに、聞こえてんのに、体だけが思い通りに動かねぇ。ヤーヌス様のおかげで完全支配は免れたが、体の支配権はほぼ女神のもの。今の俺は、目の前で次々と起こる最悪を見てることしかできない。
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「ありがとうございます」
ふざけんな! 苦労して苦労して、やっとこぎつけた婚約だったんだぞ‼
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気持ち悪ぃ、触んな! 見ろよ、お前のせいで完全鳥肌じゃねぇか。俺から離れろ、汚ねぇ悪霊が。
「サートゥルヌスぅ……ねぇ、もういいでしょ?」
いいわけねぇだろうがボケ‼ いくらテメェが発情してもこっちは勃たねぇんだよ。触んなクソ! モルタ以外に反応するわけねぇだろが。
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「アイアース! せっかくいいところなんだから邪魔しないでよ」
「私としても大変心苦しいのですが、このままだと殿下のお立場が少々……。御所望のものはもう手に入れられたのですし、先に邪魔なものを片付けてしまった方がよろしいかと」
「邪魔な……そうね。そういえば、ヒドインちゃんにざまぁもしないとだしね」
俺を見てニタニタと厭らしい笑みを浮かべたあと、悪霊女はアイアースと一緒に出てった。悪霊女が離れて少しだけ体の自由が戻ってくる。
「あのクソ女、ベタベタ触りやがって。よし、今のうちに……純潔を司る女神ディアナよ。我が身の純潔を守りたまえ」
下腹部に女神ディアナの魔法陣を刻みこむ。
よし、これで結婚までは清い体を保つ契約完了、と。あーーー、クソが‼ なんでこんな術使わねぇとなんねぇんだよ。本来なら今頃モルタと……いや、モルタ真面目だから結婚までは絶対許してくれなさそうだな。いやでも、もしかしたら本番はだめでも……うがーーー、クソっ! 俺のめくるめく愛欲の婚約期間が‼
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