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2周目
Ⅱ.時の翁は大鎌を振り下ろす
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ラウェルナの術で俺とモルタの姿と気配を消す。密着できるの役得。この術最高!
中庭抜けて王女がいる部屋に忍び込むと、中には長椅子でだらしなく寝そべりながら菓子食ってるガキがいた。俺が言うのもなんだが品がねぇな、コイツ。
「アイアース、遅い!」
「申し訳ございません、殿下」
「で、できたの?」
「もう少しお時間をいただきたく存じます。御所望の者たちは皆すでに婚約者がおりまして、調整に難航しており――」
「いいから早くしろよ! せっかく転生できたってのに、なんで攻略対象がひとりもいねぇんだよ‼」
なんだコイツ。これが本当に王女? いや、その前に王女ってこんなやつだったか? いくらなんでもここまでひどいのは、さすがの俺も憶えてると思う。
「攻略対象全員に婚約者がいるとか! 普通フリーだろ‼ チートあるったって面倒だっつの。それにサートゥルヌス! あたしの最推し攻略しやがったヒドイン、こいつだけは絶対に許さねぇ……」
おい。なんで俺の名前が出てくんだよ。やめろよ、モルタに勘違いされたらどうしてくれんだ。やべぇ、これ以上ここにいてまた変なこと言われたら誤解されるかもしれねぇ。なんなんだよ、コイツ。
王女のとこから脱出して、人のいない区画へ移動した。誰もいない部屋に入って、防音と気配消しの結界を張る。
ここの結界、ちょっとした穴があって俺なら好きにできんだよね。クソ師匠にも気づかれてないから今のとこやりたい放題。
「モルタ。アブンダンティア様のことは俺に任せてほしい。きみが関わるのは危険だ」
「なぜ? さきほどのアブンダンティア様のお言葉からすると、私も無関係ではないのでしょう?」
「だからこそだよ。アブンダンティア様はモルタを狙っている。ところどころ意味の分からない言葉があったけど、あれはおそらくモルタを排除するって意味だ」
もう抹殺していいよな。理由とか知らね。モルタに危害加えようとしたってことで死刑決定だろ。
「承服しかねるわ。私は当事者よ。知らなければ対処できるものもできなくなる」
「モルタ~……はぁ、わかったよ。きみの頑固さはよーく知ってるからね。このまま遠ざけたら、確実に一人で動き始めるもんな」
やっぱだめか。それに王女殺したらモルタに嫌われそうだしな。
俺一人で殺る作戦は失敗。こうなると、考えるより動いちゃう派のモルタは俺のそばに置いといたほうが安全だな。
「ただし、一つだけ条件がある。何か行動を起こすときは、絶対に俺を呼ぶこと」
「わかった」
よし、もうガンガン呼んでくれ。むしろ用がなくても呼んでくれ。
「これ、お守り。鬱陶しいかもしれないけど、絶対に外さないで。寝るときも、風呂のときも、絶対に!」
「……わかった。トゥルスがそうまで言うのなら、なにか意味があるのでしょうし」
あるよ、大アリ! これ、常にモルタの居場所わかるようになってるんだ。あと命の危機に陥ったとき、一度だけどんな攻撃も跳ね返す効果付き。
本当は盗聴機能とか盗撮機能もつけたかったんだけど、それやると嫌われそうだから我慢したよ。俺、偉い!
「絶対だよ! 俺は、モルタを失いたくない」
もう、二度と。絶対に。……なんだろ、なんか引っかかる。二度と? なんだそれ。まるで一度失ったみたいな……
「私もよ。私も、トゥルスを失いたくない。だから、一緒に戦いましょう」
あ、幸せ過ぎて死ぬ。モルタが俺のこと抱きしめてる。ヤバい。もういろんな意味で心も体もヤバい。
この温かい体も、オカリナみたいな柔らかい声も、俺を見てくれる金糸雀色の目も、さらさらした薔薇色の髪も……今、この手の中にあるのが夢みたいで。
だから、怖い。失うのが。こんなに幸せだってのに、ものすごく不安になる。俺は、なんかとてつもなく大切なことを忘れてる気がする。わからないけど、わからないから不安になる。
「モルタ……俺を独りに……しないで」
※ ※ ※ ※
フェブルウスの月二十八日。
目の前のくそ笑えねぇ茶番から、できれば今すぐにでも逃げ出してぇ。
「サートゥルヌスぅ、こっち来てぇ」
うるせぇクソガキ。……ガキ、だよな? なんかコイツ、いまいちガキって感じがしねーんだよな。外見は確かにガキなんだが、中身がなんか違う気がする。じゃあ大人なのかっていうと、それもなんか違うっつーか。
近いのはあれだ、いい年してまだ親に全部面倒見てもらってる大人子ども。
「サートゥルヌスぅ、抱っこしてぇ」
却下。俺はモルタしか抱っこしねぇ。モルタならむしろ喜んで。いや、モルタなら嫌がってるのを無理やりっていうのもいいな。恥じらって抵抗するモルタとか最高!
「お許しください。私は元平民。王女に触れるなど恐れ多く」
「もう! またそういうこと言う。大丈夫よぉ、サートゥルヌスは私のお婿さんになるんだからぁ」
こいつ頭わいてんのか?
「アブンダンティア様、そろそろお戻りになる時間です」
「いや! 勉強なんてしたくない」
「アブンダンティア様が戻られないのであれば、お諫めできなかった私が責任をとることになりますね。国外追放か、処刑か……」
「嘘⁉ え、この世界ってそんなに厳しいの?」
「はい。ですので、戻っていただけると私としてはとても助かるのですが」
渋るクソガキを取り巻きのお人形たちに任せ、ようやく追い返せた。さっさと帰れ。できれば二度と俺のとこに来るな。
この一ヶ月、モルタとふたりであのクソガキを観察してみてわかったのは、どうやら王女の体に別の魂が入りこんでいるってことだった。
おそらくだが、あの王女の体の中に入ってるのは大人の魂だと思う。しかも欲求不満でギラギラしてるババァだろ、あれ。まあ、若者やジジィの可能性もなくはないが。
てか、毎回毎回やたら触ろうとしてくるし、隙あらば俺の下半身ガン見してるし、性欲の塊ってのは間違いない。ほんと気持ち悪ぃ。
今日はモルタの家で会う約束だから、あの視線から逃れられるし、モルタはいっぱい摂取できるしでいいことずくめだな。というわけで、気分いいから持ち出し禁止の捜査資料持ってきちゃった。
「魔術師団でも過去に同じような例がないか調べてたんだ」
「見つかったの?」
「……あった。もう百年以上昔のことだけど、一度だけ」
見つかったのは百二十年前の事件。平民の学校で起こった痴情のもつれからの刃傷沙汰。
「この子は……生涯幽閉⁉ 刃傷沙汰を引き起こしたとはいえ、いくらなんでも罰が重すぎない? だって、死人までは出てないのに」
「それは俺も気になってるんだ。何か、閉じ込めておかなきゃいけない理由があったのかな」
「そうだ。ねえ、結局この事件の原因ってなんだったの?」
「……わからない」
とはいえ、推測することはできる。原因は十中八九、女神ラウェルナだ。
「ただ気になるのは、この少女もよく意味のわからない言葉を使っていたらしいんだ。その中に『ちーと』って言葉があったらしい」
「いったいなんなのかしら、『ちーと』とか『ひどいん』とか」
「わっかんね。あとは幽閉されてるとき、『助けてよ、ラウェルナ』って何度も叫んでたらしい」
「ラウェルナ? ラウェルナって、もしかして盗人の女神ラウェルナ?」
「ラウェルナっていったら、やっぱりそれだよな。この少女、ラウェルナの巫女とかだったのかな?」
巫女なのか、選ばれてしまった被害者なのか。この少女も王女も、おそらくは遊び相手として選ばれちまったんだろうな。
しっかしあの下品すぎる中身、あんなのいったいどっから連れてきたんだ? 迷惑にも程がある。
「ラウェルナについても少し調べてみるよ」
「わかった。何かわかったら私にも教えてね」
「りょーかい」
中庭抜けて王女がいる部屋に忍び込むと、中には長椅子でだらしなく寝そべりながら菓子食ってるガキがいた。俺が言うのもなんだが品がねぇな、コイツ。
「アイアース、遅い!」
「申し訳ございません、殿下」
「で、できたの?」
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「いいから早くしろよ! せっかく転生できたってのに、なんで攻略対象がひとりもいねぇんだよ‼」
なんだコイツ。これが本当に王女? いや、その前に王女ってこんなやつだったか? いくらなんでもここまでひどいのは、さすがの俺も憶えてると思う。
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おい。なんで俺の名前が出てくんだよ。やめろよ、モルタに勘違いされたらどうしてくれんだ。やべぇ、これ以上ここにいてまた変なこと言われたら誤解されるかもしれねぇ。なんなんだよ、コイツ。
王女のとこから脱出して、人のいない区画へ移動した。誰もいない部屋に入って、防音と気配消しの結界を張る。
ここの結界、ちょっとした穴があって俺なら好きにできんだよね。クソ師匠にも気づかれてないから今のとこやりたい放題。
「モルタ。アブンダンティア様のことは俺に任せてほしい。きみが関わるのは危険だ」
「なぜ? さきほどのアブンダンティア様のお言葉からすると、私も無関係ではないのでしょう?」
「だからこそだよ。アブンダンティア様はモルタを狙っている。ところどころ意味の分からない言葉があったけど、あれはおそらくモルタを排除するって意味だ」
もう抹殺していいよな。理由とか知らね。モルタに危害加えようとしたってことで死刑決定だろ。
「承服しかねるわ。私は当事者よ。知らなければ対処できるものもできなくなる」
「モルタ~……はぁ、わかったよ。きみの頑固さはよーく知ってるからね。このまま遠ざけたら、確実に一人で動き始めるもんな」
やっぱだめか。それに王女殺したらモルタに嫌われそうだしな。
俺一人で殺る作戦は失敗。こうなると、考えるより動いちゃう派のモルタは俺のそばに置いといたほうが安全だな。
「ただし、一つだけ条件がある。何か行動を起こすときは、絶対に俺を呼ぶこと」
「わかった」
よし、もうガンガン呼んでくれ。むしろ用がなくても呼んでくれ。
「これ、お守り。鬱陶しいかもしれないけど、絶対に外さないで。寝るときも、風呂のときも、絶対に!」
「……わかった。トゥルスがそうまで言うのなら、なにか意味があるのでしょうし」
あるよ、大アリ! これ、常にモルタの居場所わかるようになってるんだ。あと命の危機に陥ったとき、一度だけどんな攻撃も跳ね返す効果付き。
本当は盗聴機能とか盗撮機能もつけたかったんだけど、それやると嫌われそうだから我慢したよ。俺、偉い!
「絶対だよ! 俺は、モルタを失いたくない」
もう、二度と。絶対に。……なんだろ、なんか引っかかる。二度と? なんだそれ。まるで一度失ったみたいな……
「私もよ。私も、トゥルスを失いたくない。だから、一緒に戦いましょう」
あ、幸せ過ぎて死ぬ。モルタが俺のこと抱きしめてる。ヤバい。もういろんな意味で心も体もヤバい。
この温かい体も、オカリナみたいな柔らかい声も、俺を見てくれる金糸雀色の目も、さらさらした薔薇色の髪も……今、この手の中にあるのが夢みたいで。
だから、怖い。失うのが。こんなに幸せだってのに、ものすごく不安になる。俺は、なんかとてつもなく大切なことを忘れてる気がする。わからないけど、わからないから不安になる。
「モルタ……俺を独りに……しないで」
※ ※ ※ ※
フェブルウスの月二十八日。
目の前のくそ笑えねぇ茶番から、できれば今すぐにでも逃げ出してぇ。
「サートゥルヌスぅ、こっち来てぇ」
うるせぇクソガキ。……ガキ、だよな? なんかコイツ、いまいちガキって感じがしねーんだよな。外見は確かにガキなんだが、中身がなんか違う気がする。じゃあ大人なのかっていうと、それもなんか違うっつーか。
近いのはあれだ、いい年してまだ親に全部面倒見てもらってる大人子ども。
「サートゥルヌスぅ、抱っこしてぇ」
却下。俺はモルタしか抱っこしねぇ。モルタならむしろ喜んで。いや、モルタなら嫌がってるのを無理やりっていうのもいいな。恥じらって抵抗するモルタとか最高!
「お許しください。私は元平民。王女に触れるなど恐れ多く」
「もう! またそういうこと言う。大丈夫よぉ、サートゥルヌスは私のお婿さんになるんだからぁ」
こいつ頭わいてんのか?
「アブンダンティア様、そろそろお戻りになる時間です」
「いや! 勉強なんてしたくない」
「アブンダンティア様が戻られないのであれば、お諫めできなかった私が責任をとることになりますね。国外追放か、処刑か……」
「嘘⁉ え、この世界ってそんなに厳しいの?」
「はい。ですので、戻っていただけると私としてはとても助かるのですが」
渋るクソガキを取り巻きのお人形たちに任せ、ようやく追い返せた。さっさと帰れ。できれば二度と俺のとこに来るな。
この一ヶ月、モルタとふたりであのクソガキを観察してみてわかったのは、どうやら王女の体に別の魂が入りこんでいるってことだった。
おそらくだが、あの王女の体の中に入ってるのは大人の魂だと思う。しかも欲求不満でギラギラしてるババァだろ、あれ。まあ、若者やジジィの可能性もなくはないが。
てか、毎回毎回やたら触ろうとしてくるし、隙あらば俺の下半身ガン見してるし、性欲の塊ってのは間違いない。ほんと気持ち悪ぃ。
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「見つかったの?」
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見つかったのは百二十年前の事件。平民の学校で起こった痴情のもつれからの刃傷沙汰。
「この子は……生涯幽閉⁉ 刃傷沙汰を引き起こしたとはいえ、いくらなんでも罰が重すぎない? だって、死人までは出てないのに」
「それは俺も気になってるんだ。何か、閉じ込めておかなきゃいけない理由があったのかな」
「そうだ。ねえ、結局この事件の原因ってなんだったの?」
「……わからない」
とはいえ、推測することはできる。原因は十中八九、女神ラウェルナだ。
「ただ気になるのは、この少女もよく意味のわからない言葉を使っていたらしいんだ。その中に『ちーと』って言葉があったらしい」
「いったいなんなのかしら、『ちーと』とか『ひどいん』とか」
「わっかんね。あとは幽閉されてるとき、『助けてよ、ラウェルナ』って何度も叫んでたらしい」
「ラウェルナ? ラウェルナって、もしかして盗人の女神ラウェルナ?」
「ラウェルナっていったら、やっぱりそれだよな。この少女、ラウェルナの巫女とかだったのかな?」
巫女なのか、選ばれてしまった被害者なのか。この少女も王女も、おそらくは遊び相手として選ばれちまったんだろうな。
しっかしあの下品すぎる中身、あんなのいったいどっから連れてきたんだ? 迷惑にも程がある。
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