7 / 23
2周目
6.運命の女神は糸を垂らす
しおりを挟む
最初の拒否の雰囲気はどこへやら。お父様は少年のように瞳を輝かせ、次々と自慢の蒐集物の説明を始めた。
「いやぁ、まさかデキマ以外をこの部屋に招ける日が来るなんて」
「お父様、お父様。全部の説明を聞いていたら夜が明けてしまいます。ラウェルナだけお願いします」
暴走するお父様を落ち着かせ、ようやく最初の目的に戻ってきた。
「ああ、ラウェルナ様か。この女神は無法者たちの女神だから、なかなか手に入らなくてねぇ。発禁になってしまったものも多いし研究者もあまりいないから、とにかく本の数自体が少ないんだ」
お父様は説明しながら、数冊の本とボロボロの手帳を取り出した。
『女神ラウェルナ その性』
『女神ラウェルナ 儀式十二ヶ月』
『ラウェルナの巫女』
『ラウェルナに関するまじない』
どの本もかつては普通に売られていたものらしく、きちんとした装丁のものだった。ただ最後のひとつ、ボロボロの手帳だけはどう見ても個人的な所有物に見える。
「『ラウェルナに関するまじない』? お父様、この手帳は?」
「それは昔、たまたま出会った旅人から買ったんだ」
「中にはどのようなことが?」
「ラウェルナ様の力を借りるまじないとその術式を書き留めたものだったよ。他人の目を欺くまじないとか、嘘が見破られにくくなるまじないとか」
我が国で使われる魔術は、基本的に神の力を借りて奇跡を起こすもの。たとえばサートゥルヌスが使った隠密の術、あれはラウェルナの力を借りた魔術。ここに書かれている「他人の目を欺くまじない」がそれにあたる。
残念ながら私は魔術の素養が全くないので、術式を知っていても使うことはできないけれど。
「さすがラウェルナ。地味だけど厄介なものが多いですね」
「不法な利益を司る女神だからね。だからこそラウェルナ様の本、特に魔術に関する本は発行を禁止されて厳しく管理されているんだ」
「軽々しく他人の目を欺くまじないなんか使われてしまったら、たまりませんものね」
「まあ、町の中ではラウェルナ様の術はもちろん、許可された魔術以外使えないようになっているがな」
お父様、町どころか王宮でも好き放題使ってる規格外の人が一人いましたよ。
「で、だ。おまえは何を調べている? アブンダンティア様の件でラウェルナ様が関係しているというのは?」
とうとう本題だ。お父様もこの話をするために、誰にも聞かれないここへ私を連れてきたのでしょう。
「魔術師団が最近突き止めた、百二十年前の事件については当然御存じですよね?」
知らないはずはない。だって、お父様こそがその魔術師団の団長だもの。むしろサートゥルヌスよりも深い事情を知っているかもしれない。
「あのクソガキ、守秘義務をなんだと……。モルタ、そのことは他言無用だぞ」
「承知しております」
「そして、おまえはここまでだ。アブンダンティア様のことは私やサートゥルヌスに任せて欲しい」
当然そうなるわよね。わかっていた。やはりお父様から直接聞き出すなんて安易な方法は無理があったわね。
「承知しました。では、ラウェルナについてだけ、もう少し教えていただけませんか」
「それならば、まあ」
先ほどの手帳、その最後の書き込みをお父様に見せる。
「この、『魂を盗むまじない』とは?」
このまじないだけ他のものと違い、術式などの詳細が記述されていなかった。
「ああ、それか。それはおとぎ話には出てくるものの、実際には術として確立されていないものだよ」
「おとぎ話?」
「モルタ……おまえが本をあまり読まないのは知っていたが、そこまでか」
ものすごく呆れられてしまった。
「それなら上で十分だろう」
秘密の地下室での密談は終了。上の通常の書庫に出ると、お父様は一冊の本をくださった。
「子ども向けの神話集だ。さっきのはそこに出てくる。小難しい研究本より、こちらの方がわかりやすいだろう」
「お父様、私のことをいったいなんだと思っているのですか?」
「平民の子どもたちでさえ当然のように知っている神話も知らない脳筋の娘、かな」
ひどい。でも事実すぎて言い返せない。そういえば昔、お母様が寝物語として読んでくれたような気がしないでもないわ。いつもすぐ寝てしまっていたから、まったく覚えていないけれど。
「いい機会だ。少しは本の魅力に気づいておくれ」
お父様と別れたあと、自分の部屋に戻ってベッドに転がりながら本を開いた。
むかしむかし、まだ神さまたちが天よりこの地上にたびたびおりていらしたころ。
神さまたちは人と恋をしたり、冒険をしたり、ときには試練をあたえたりと、人ととても近い存在でした。
序章は読み飛ばしてもいいわね。ラウェルナのお話は……
目次で確認してラウェルナの頁に飛ぶ。
ラウェルナは、とても気まぐれな女神さま。
平和すぎるとたいくつしてしまい、わざとさわぎをおこしたりする、少しこまった女神さまでした。
ある日も、ラウェルナはとてもたいくつしていました。そんなラウェルナのもとにやってきたのは、愛の神さまクピードー。クピードーもまた、いたずらがすきな神さまでした。
迷惑な神様たちだこと。でも、神なんてそんなものなのかしら。
たいくつだったふたりは、たくさんの人がくらす町に、いくつもの恋の矢をはなちました。
恋の矢で愛しく思うあいてをかえられてしまった人、生まれたばかりのこどもに恋をしてしまったおとなの人、家族に恋をしてしまった人……町はおおさわぎになってしまいました。
迷惑なんてかわいいものではなかったわ。ひどすぎる。神にとって人は、オモチャみたいなものなのかしら。
けれどラウェルナは、そのさわぎにもすぐにあきてしまいました。どうしたら面白くなるのか。ラウェルナは考えました。そこでラウェルナが思いついたのは、このさわぎに主人公を作るということでした。
人の作った物語がすきでたくさん読んでいたラウェルナは、あるひとりの少女をつれてきて「たましいを盗む」という加護をあたえ、その少女を主人公にしてかんさつすることにしました。
魂を盗む? いったいどういう加護なのかしら。ラウェルナの術で「心を盗む」という魅了系の術があるのは聞いたことあるけど。
ラウェルナの加護をうけた少女はさっそく加護の力をつかって、ある美しい貴族の少女のたましいを盗みだしました。そしてからっぽになった体に入りこみ、少女は美しい少女になったのです。
乗っ取り⁉ 精神操作系は聞いたことあるけれど、まるまる乗っ取るだなんて。しかもこれは神の加護であって魔術ではないから、対抗策がなさそうなのがまた恐ろしいところよね。
とはいえ、これはあくまで子ども向けのおとぎ話。書かれていること全部が真実なわけではないし、このお話も創作の可能性の方が高い。
でも、この世界には魔術が存在する。それぞれの神の力を借りて、実際に色々なことが行われている。だから、もしかしたらこの神話も真実である可能性が……
美しい貴族の少女に生まれかわった少女は、今までできなかったたくさんのことを始めました。
きれいなドレスを着て、おいしいものをたくさん食べて、きれいなお家でたくさんのめしつかいに命令をする。そんな夢みたいなくらしをさせてくれたラウェルナに、少女の信仰心はどんどん高まっていきました。
自分ではない誰かの場所を奪って手に入れた幸せ。私だったらそんなもの拒否する。でも、もしも私が今と違ってすごく悲惨な状況で暮らしていて、そこでそんなものを与えられてしまったら……
この少女がどんな暮らしをしていたかは書かれていないからわからないけれど、状況次第では私もわからない。だって私は、そんなに高潔な人間でもなければ強い人間でもない。
続いて少女は、美しい男たちの心をてあたりしだいに盗みました。するとどうでしょう。男たちはねつにうかされたようなようすで、少女へねっしんに愛をささやきはじめました。
魂を盗む。もしこの女神の加護が存在するのなら、アブンダンティア様の変貌にも納得できる。このことは当然、サートゥルヌスやお父様たちも調べているでしょう。そちらは専門家たちに任せて、私は私ができることを探さなくては。
「いやぁ、まさかデキマ以外をこの部屋に招ける日が来るなんて」
「お父様、お父様。全部の説明を聞いていたら夜が明けてしまいます。ラウェルナだけお願いします」
暴走するお父様を落ち着かせ、ようやく最初の目的に戻ってきた。
「ああ、ラウェルナ様か。この女神は無法者たちの女神だから、なかなか手に入らなくてねぇ。発禁になってしまったものも多いし研究者もあまりいないから、とにかく本の数自体が少ないんだ」
お父様は説明しながら、数冊の本とボロボロの手帳を取り出した。
『女神ラウェルナ その性』
『女神ラウェルナ 儀式十二ヶ月』
『ラウェルナの巫女』
『ラウェルナに関するまじない』
どの本もかつては普通に売られていたものらしく、きちんとした装丁のものだった。ただ最後のひとつ、ボロボロの手帳だけはどう見ても個人的な所有物に見える。
「『ラウェルナに関するまじない』? お父様、この手帳は?」
「それは昔、たまたま出会った旅人から買ったんだ」
「中にはどのようなことが?」
「ラウェルナ様の力を借りるまじないとその術式を書き留めたものだったよ。他人の目を欺くまじないとか、嘘が見破られにくくなるまじないとか」
我が国で使われる魔術は、基本的に神の力を借りて奇跡を起こすもの。たとえばサートゥルヌスが使った隠密の術、あれはラウェルナの力を借りた魔術。ここに書かれている「他人の目を欺くまじない」がそれにあたる。
残念ながら私は魔術の素養が全くないので、術式を知っていても使うことはできないけれど。
「さすがラウェルナ。地味だけど厄介なものが多いですね」
「不法な利益を司る女神だからね。だからこそラウェルナ様の本、特に魔術に関する本は発行を禁止されて厳しく管理されているんだ」
「軽々しく他人の目を欺くまじないなんか使われてしまったら、たまりませんものね」
「まあ、町の中ではラウェルナ様の術はもちろん、許可された魔術以外使えないようになっているがな」
お父様、町どころか王宮でも好き放題使ってる規格外の人が一人いましたよ。
「で、だ。おまえは何を調べている? アブンダンティア様の件でラウェルナ様が関係しているというのは?」
とうとう本題だ。お父様もこの話をするために、誰にも聞かれないここへ私を連れてきたのでしょう。
「魔術師団が最近突き止めた、百二十年前の事件については当然御存じですよね?」
知らないはずはない。だって、お父様こそがその魔術師団の団長だもの。むしろサートゥルヌスよりも深い事情を知っているかもしれない。
「あのクソガキ、守秘義務をなんだと……。モルタ、そのことは他言無用だぞ」
「承知しております」
「そして、おまえはここまでだ。アブンダンティア様のことは私やサートゥルヌスに任せて欲しい」
当然そうなるわよね。わかっていた。やはりお父様から直接聞き出すなんて安易な方法は無理があったわね。
「承知しました。では、ラウェルナについてだけ、もう少し教えていただけませんか」
「それならば、まあ」
先ほどの手帳、その最後の書き込みをお父様に見せる。
「この、『魂を盗むまじない』とは?」
このまじないだけ他のものと違い、術式などの詳細が記述されていなかった。
「ああ、それか。それはおとぎ話には出てくるものの、実際には術として確立されていないものだよ」
「おとぎ話?」
「モルタ……おまえが本をあまり読まないのは知っていたが、そこまでか」
ものすごく呆れられてしまった。
「それなら上で十分だろう」
秘密の地下室での密談は終了。上の通常の書庫に出ると、お父様は一冊の本をくださった。
「子ども向けの神話集だ。さっきのはそこに出てくる。小難しい研究本より、こちらの方がわかりやすいだろう」
「お父様、私のことをいったいなんだと思っているのですか?」
「平民の子どもたちでさえ当然のように知っている神話も知らない脳筋の娘、かな」
ひどい。でも事実すぎて言い返せない。そういえば昔、お母様が寝物語として読んでくれたような気がしないでもないわ。いつもすぐ寝てしまっていたから、まったく覚えていないけれど。
「いい機会だ。少しは本の魅力に気づいておくれ」
お父様と別れたあと、自分の部屋に戻ってベッドに転がりながら本を開いた。
むかしむかし、まだ神さまたちが天よりこの地上にたびたびおりていらしたころ。
神さまたちは人と恋をしたり、冒険をしたり、ときには試練をあたえたりと、人ととても近い存在でした。
序章は読み飛ばしてもいいわね。ラウェルナのお話は……
目次で確認してラウェルナの頁に飛ぶ。
ラウェルナは、とても気まぐれな女神さま。
平和すぎるとたいくつしてしまい、わざとさわぎをおこしたりする、少しこまった女神さまでした。
ある日も、ラウェルナはとてもたいくつしていました。そんなラウェルナのもとにやってきたのは、愛の神さまクピードー。クピードーもまた、いたずらがすきな神さまでした。
迷惑な神様たちだこと。でも、神なんてそんなものなのかしら。
たいくつだったふたりは、たくさんの人がくらす町に、いくつもの恋の矢をはなちました。
恋の矢で愛しく思うあいてをかえられてしまった人、生まれたばかりのこどもに恋をしてしまったおとなの人、家族に恋をしてしまった人……町はおおさわぎになってしまいました。
迷惑なんてかわいいものではなかったわ。ひどすぎる。神にとって人は、オモチャみたいなものなのかしら。
けれどラウェルナは、そのさわぎにもすぐにあきてしまいました。どうしたら面白くなるのか。ラウェルナは考えました。そこでラウェルナが思いついたのは、このさわぎに主人公を作るということでした。
人の作った物語がすきでたくさん読んでいたラウェルナは、あるひとりの少女をつれてきて「たましいを盗む」という加護をあたえ、その少女を主人公にしてかんさつすることにしました。
魂を盗む? いったいどういう加護なのかしら。ラウェルナの術で「心を盗む」という魅了系の術があるのは聞いたことあるけど。
ラウェルナの加護をうけた少女はさっそく加護の力をつかって、ある美しい貴族の少女のたましいを盗みだしました。そしてからっぽになった体に入りこみ、少女は美しい少女になったのです。
乗っ取り⁉ 精神操作系は聞いたことあるけれど、まるまる乗っ取るだなんて。しかもこれは神の加護であって魔術ではないから、対抗策がなさそうなのがまた恐ろしいところよね。
とはいえ、これはあくまで子ども向けのおとぎ話。書かれていること全部が真実なわけではないし、このお話も創作の可能性の方が高い。
でも、この世界には魔術が存在する。それぞれの神の力を借りて、実際に色々なことが行われている。だから、もしかしたらこの神話も真実である可能性が……
美しい貴族の少女に生まれかわった少女は、今までできなかったたくさんのことを始めました。
きれいなドレスを着て、おいしいものをたくさん食べて、きれいなお家でたくさんのめしつかいに命令をする。そんな夢みたいなくらしをさせてくれたラウェルナに、少女の信仰心はどんどん高まっていきました。
自分ではない誰かの場所を奪って手に入れた幸せ。私だったらそんなもの拒否する。でも、もしも私が今と違ってすごく悲惨な状況で暮らしていて、そこでそんなものを与えられてしまったら……
この少女がどんな暮らしをしていたかは書かれていないからわからないけれど、状況次第では私もわからない。だって私は、そんなに高潔な人間でもなければ強い人間でもない。
続いて少女は、美しい男たちの心をてあたりしだいに盗みました。するとどうでしょう。男たちはねつにうかされたようなようすで、少女へねっしんに愛をささやきはじめました。
魂を盗む。もしこの女神の加護が存在するのなら、アブンダンティア様の変貌にも納得できる。このことは当然、サートゥルヌスやお父様たちも調べているでしょう。そちらは専門家たちに任せて、私は私ができることを探さなくては。
31
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説

村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。

転生悪役令嬢は冒険者になればいいと気が付いた
よーこ
恋愛
物心ついた頃から前世の記憶持ちの悪役令嬢ベルティーア。
国の第一王子との婚約式の時、ここが乙女ゲームの世界だと気が付いた。
自分はメイン攻略対象にくっつく悪役令嬢キャラだった。
はい、詰んだ。
将来は貴族籍を剥奪されて国外追放決定です。
よし、だったら魔法があるこのファンタジーな世界を満喫しよう。
国外に追放されたら冒険者になって生きるぞヒャッホー!
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。
【完結】リクエストにお答えして、今から『悪役令嬢』です。
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
恋愛
「断罪……? いいえ、ただの事実確認ですよ。」
***
ただ求められるままに生きてきた私は、ある日王子との婚約解消と極刑を突きつけられる。
しかし王子から「お前は『悪』だ」と言われ、周りから冷たい視線に晒されて、私は気づいてしまったのだ。
――あぁ、今私に求められているのは『悪役』なのだ、と。
今まで溜まっていた鬱憤も、ずっとしてきた我慢も。
それら全てを吐き出して私は今、「彼らが望む『悪役』」へと変貌する。
これは従順だった公爵令嬢が一転、異色の『悪役』として王族達を相手取り、様々な真実を紐解き果たす。
そんな復讐と解放と恋の物語。
◇ ◆ ◇
※カクヨムではさっぱり断罪版を、アルファポリスでは恋愛色強めで書いています。
さっぱり断罪が好み、または読み比べたいという方は、カクヨムへお越しください。
カクヨムへのリンクは画面下部に貼ってあります。
※カクヨム版が『カクヨムWeb小説短編賞2020』中間選考作品に選ばれました。
選考結果如何では、こちらの作品を削除する可能性もありますので悪しからず。
※表紙絵はフリー素材を拝借しました。

雪解けの白い結婚 〜触れることもないし触れないでほしい……からの純愛!?〜
川奈あさ
恋愛
セレンは前世で夫と友人から酷い裏切りを受けたレスられ・不倫サレ妻だった。
前世の深い傷は、転生先の心にも残ったまま。
恋人も友人も一人もいないけれど、大好きな魔法具の開発をしながらそれなりに楽しい仕事人生を送っていたセレンは、祖父のために結婚相手を探すことになる。
だけど凍り付いた表情は、舞踏会で恐れられるだけで……。
そんな時に出会った壁の花仲間かつ高嶺の花でもあるレインに契約結婚を持ちかけられる。
「私は貴女に触れることもないし、私にも触れないでほしい」
レインの条件はひとつ、触らないこと、触ることを求めないこと。
実はレインは女性に触れられると、身体にひどいアレルギー症状が出てしまうのだった。
女性アレルギーのスノープリンス侯爵 × 誰かを愛することが怖いブリザード令嬢。
過去に深い傷を抱えて、人を愛することが怖い。
二人がゆっくり夫婦になっていくお話です。

【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした
miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。
婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。
(ゲーム通りになるとは限らないのかも)
・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。
周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。
馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。
冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。
強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!?
※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる