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衰えを知らない星
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私は彼らが歪に見えてならない。
そう、この地を這う生物達にだ。
進化、退化、成し遂げていく
彼らの終着点は終わる事を知らない。
始めのうちは、研究対象だった。
アメンボが水面を跳ねるのではなく、雲を跳ねるように、
それはつまり、小さな水蒸気の粒でさえも感知し跳ねているのだ。
人間の目では空を跳ねてるように見える。
私は今、この歪な生物が居る惑星の探索に来ているのだが
間違いなくこの惑星の虫達は進化が目まぐるしい。
昨日みたはずの蟻が微小になったかと思うと、私の靴を食べていた。
すぐに気づかなかったらもしかしたら私自身も食べられたかもしれない。
新調したはずの靴は、強化用の靴に変えなくてはならなくなった。
勿論、食いちぎられる心配はない、未開の地に向かう私たちにとって
これは必須だからだ、はっはっは。
危ないが面白い。素晴らしい成長だ。
かと思えば、蝶が蛹になり、幼体になる虫をみた。
これはどういう事か。
蝶は、私たちの蝶のイメージといえば、花にとまり蜜を吸うイメージだが
この世界に花はない。きっとこの退化はその悲しみなのかもしれない。
これら3つの生物種を見るだけでも、一体なぜこのような進化をしてきたか
わからない。
ここにいたらもしかして、私そのものも進化してしまうのではないだろうか。
トンボが飛来して、小さなトンボが空中で生まれる。
卵もなく生まれたトンボの小さいやつが飛ぶ。
樹木を啜る猿がいる。
滅茶苦茶なのだ。
いや、でも……これは。
そ、そうか、これは進化しているのでも
後退しているのでもない。
そうしているというのであらば
惑星そのものがそうなのだ。
彼らの共通点は「エサを求めている」という事。
エサそのものが見つからなければ探さなければならない。
彼らのエサは「無くなっている」という事。
そして他のエサを求めている。
でもそれがまた無くなれば?
それがまた無くなれば?
ありとあらゆるものが「無」に向かっている。
生態そのものが衰退している。
この惑星そのものが崩壊に向かって進んでいる。
私は今、恐れている。
私自身がこの惑星の虫に対して食欲を持っているからだ。
……。
そう、この地を這う生物達にだ。
進化、退化、成し遂げていく
彼らの終着点は終わる事を知らない。
始めのうちは、研究対象だった。
アメンボが水面を跳ねるのではなく、雲を跳ねるように、
それはつまり、小さな水蒸気の粒でさえも感知し跳ねているのだ。
人間の目では空を跳ねてるように見える。
私は今、この歪な生物が居る惑星の探索に来ているのだが
間違いなくこの惑星の虫達は進化が目まぐるしい。
昨日みたはずの蟻が微小になったかと思うと、私の靴を食べていた。
すぐに気づかなかったらもしかしたら私自身も食べられたかもしれない。
新調したはずの靴は、強化用の靴に変えなくてはならなくなった。
勿論、食いちぎられる心配はない、未開の地に向かう私たちにとって
これは必須だからだ、はっはっは。
危ないが面白い。素晴らしい成長だ。
かと思えば、蝶が蛹になり、幼体になる虫をみた。
これはどういう事か。
蝶は、私たちの蝶のイメージといえば、花にとまり蜜を吸うイメージだが
この世界に花はない。きっとこの退化はその悲しみなのかもしれない。
これら3つの生物種を見るだけでも、一体なぜこのような進化をしてきたか
わからない。
ここにいたらもしかして、私そのものも進化してしまうのではないだろうか。
トンボが飛来して、小さなトンボが空中で生まれる。
卵もなく生まれたトンボの小さいやつが飛ぶ。
樹木を啜る猿がいる。
滅茶苦茶なのだ。
いや、でも……これは。
そ、そうか、これは進化しているのでも
後退しているのでもない。
そうしているというのであらば
惑星そのものがそうなのだ。
彼らの共通点は「エサを求めている」という事。
エサそのものが見つからなければ探さなければならない。
彼らのエサは「無くなっている」という事。
そして他のエサを求めている。
でもそれがまた無くなれば?
それがまた無くなれば?
ありとあらゆるものが「無」に向かっている。
生態そのものが衰退している。
この惑星そのものが崩壊に向かって進んでいる。
私は今、恐れている。
私自身がこの惑星の虫に対して食欲を持っているからだ。
……。
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