天使さんと悪魔くん

GOGO!異世界 地底村編

―現実世界　住宅街にある家。
ワンルーム以上ありそうな大きなリビング部屋で子供二人がテレビゲームをプレイしながら会話をしている。

悪の魔王　が　目の前に　立ち塞がった!!

軽快な音楽とともにバトルが始まる。
「なぁなぁジュンペー、なんで毎回魔王は姫をさらってしまうん?姫とデートでもしたいんかな」「魔王は何か人に言えないような大きな悩みを抱えていると、勝手に僕は推測してる」
スナック菓子を口に運びながら、倒れそうな味方を技コマンドで回復する。
「そうでもなきゃ、破壊とか略奪なんて普通だったら実行しない。攻撃すればするほどどんどん大きくなっていくものさ、魔王っていうのは...」
「へー、じゃあ勇者っていうのは何のために魔王に歯向かってるん?やっぱり世界を救うためよね」
「それもあるが一説では、勇者たちは唯一闇に対抗できる一つの光でもあるんだ。だから暗闇の中にいてもなんでもできる...っと」

勇者　は　悪の魔王　に　ビームソード　を放ち　見事勝利した!!

子供はコントローラを床に置いて、本体のカセットをアクションのカセットに入れ替える。
「やっぱり今の僕にはアクションゲームの方が似合っているよ...」....。

「やっぱりボクは貴女が好きです～っ！」「通りすがりですが、貴女のファンになりましたぞー!」
洞窟内に黄色い声が響き渡る。数匹の化け物たちが光る棒を振り回しながら、一人の女性を追いかけ回している。
「ボクの体に貴女の手で傷をつけてください～!」「流子さま～、アタシにもサインちょうだい～」
「けっ、汚らわしい化け物どもが...いったい何処まで着いてくるつもりなの！！」走る度に彼女の追っかけたちが集まってくる。追っかけの歓声は水の滴る音すらかき消す。全員目が記号になって周りが見えていないようだ。
ﾄﾞﾀﾊﾞﾀﾄﾞﾀﾊﾞﾀﾄﾞﾀﾊﾞﾀ....!洞窟全体にヒビが入り、今にも崩れようとしていた。
（さようなら、我が愛しの君主たち...）