天使さんと悪魔くん

遊霊

文字の大きさ
上 下
3 / 6

後編!異世界のナゾ

しおりを挟む
あらすじ☆

魂を追った先はなん、と見たことのない異世界だった!遺跡を抜けた先で天使さんに再び会いそこで異世界に起きたある事件の歴史を目撃する。
太陽消える?一体何の事だろう。
事件の詳細を聞いてしまった同助は闇に消されかける。この先、一体どうなってしまうのだ....!?

気が付くと僕はベットの上に横たわっていた。カーテンの向こう側から誰かの話し声が聞こえる...?上の空で話し声を聞いているとカーテンが勢いよくバッ!と開かれた。
「う...。」太陽の光が一気に入ってくる。「やーあ同助くん。身体は平気かい...?」「あーん同助!心配したヨォ!」その声は!クラスの担任の松林先生と、変な行動をしてクラスメイトから距離をおかれている明野くんたちだ。
「今日の朝図書室に一番乗りで入ったらさ、パソコンの前でお前が死んでたのを見てここまで連れてきたんだヨォ。」「.....。」
今は会話なんかしてる場合じゃなかった。もう一度あの場所へ行かなきゃ...。胸がそう言っている。
それにソラネさんとデルタくんはどこへ行ったのか...?
「それじゃあ私は教室で待っているからね。」「お前も、元気になってはやく来いヨォ」
「.....。」

学校のチャイムが鳴った後、目冷ましに屋上へ向かった。この時は知らなかった。まさか"あんなこと"が起きてしまうとは...。

屋上。金網のフェンスを指でなぞりながら昨日のことを考えていた。カラスが、鳴いている。

あー、眠い。急に眠気が襲ってきた。せっかく目を冷ましにきたのに。ま...た....。
瞳は閉じ 世界は闇に包まれる...

ここはどこ...?
気が付くと暗闇に立っていた。辺りを見渡しても何も見当たらない。いるのは僕だけ?
無意識の中で旅をしている?何も考えられないのだ。まるで頭に鍵がかかっているような感覚だ。
暗闇を歩いてゆくと道中で変な形をした弥生土偶のような生物を見たり、翼の生えた目玉が飛んでたり、まるでファンタジーの世界を冒険しているかのような感覚に陥った。
枝分かれしている道を適当に進むと荒れ果てた地にたどり着いた。そこは瓦礫がまみれていて人気も無い。紫色の空が荒れ地を見下している。草木は枯れ果てていて緑色が全く無い。
それを見てなぜか胸が酷く締め付けられた。本来、来るべき場所じゃないのか?
これ以上にない孤独と不安を感じる...。

腹の虫が騒いだ。あぁ、お腹空いたなぁ.....。

それ以上考えることもなく、膝から崩れ落ちた。


ドースケくん、ドースケくん...。ねぇ、ドースケくんってば...。しっかりして......。目を、覚ましなさい.....。
大地が揺さぶられる。
う、ううううううううううう、ううううううううううーっ!!??
.....。

「ドースケくん!」「うう...ゆ、夕美さん...?異世界は?」「何を寝ぼけているの?今度こそ消えてしまったかと思ったわ!」少々強めに肩を揺さぶられる。夕美の隣で明野がこっちを心配そうに見ている。二人は同じクラスの仲間だ。
「同助、何かあったのか?俺に教えてくれヨォ。」「...僕、少し疲れてるかも?」夕美が大きなため息をつく。「全く...もしまたいなくなったら困るから...」「あなたは一週間学校出禁よッッ!」
ええ~っ!?どういうことなんだ!クラスメイトでもだいぶ影がうすいと方だと思っていたのに何でこんなに心配されてるの?僕、何かした?
「これは生徒会からの命令でもありますのよ。」「わぁ...これは家に帰るしかないネェ、同助。」
「くっ...屈辱的な...」また図書室へ行こうと思ったのに...。
気がつけば夕陽は沈みかけていた。

夜も更けた頃、学校へ忍び込む準備をしていた。どうしてもソラネさんと異世界のことが気になってまた秘密の入り口へ行くつもりだった、のだが...。

再び学校。今日はデルタくんと同行することになった。
「天使は、どこへ...いった...?」「僕にも分からない。ただ死んでいない気がするんだ...。」
「天使、いやソラネさんはそばにいる...。」ソラネさんから預かった宝石を胸に当てる。それまで重かった胸が不思議な力で楽になった。
廊下。暗闇の廊下に二人の足音だけが響く。何もないピカピカでつまらない廊下...。
ダッ!ガバッ!突然、前が見えなくなる。
「うわぁっ!?だ、誰だ!?」「僕だヨォ。夕美も来てるヨォ!」「しーっ!明野くん静にしてっ...!」なんと、ロッカーの中で待ち構えていたのはクラスメイトの二人だった。ここに来てまさかの逮捕か!?
「良い?二人とも誰にもに見つからないようにね...。」「な、何で二人が今ここにいるの?」「同助がまた学校に来るかもしれないって夕美が言ってたんだヨォ」どうしよう...図書室の秘密の入り口のこと、二人にどう説明すればいいのだろう...?階段を登る度に学校中が、これはただものしゃないという禍々しい空気を醸し出した。これは...?
「ねぇ、学校に妖怪とかいたら二人はどうすルゥ?」「....。」「よ、妖怪とかオバケとか、いるわけないでしょう...?」夕美は眉を寄せる。明野は余裕そうに着けているネクタイを揺らせる。

図書室前へとやってきた。ドアを開けようと手を掛ける...
ビシッズッドーン!!
「ギリギリギリギリ、ウギャアアアアアア!!」「「うぎゃあああああああっ!」」噂をすれば影。妖怪以上の化け物が出てきてしまった。
「あれは、ノーセンモンスター!」「きゃんっ!ドースケくん、知ってるなら教えて!」夕美が腕を締め付ける。
く、喰われる!!その時だった。
「我が、行コウ...」デルタは全身を震わせマントの瞳から無数の光線を出し、ノーセンモンスターの口内に浴びせた!「眠レ、ヨイコハ....。」モンスターの身体は白い粉を撒き散らし砕け散った。
「綺麗...!桜の花びらみたいね。」「ありがとう、デルタく...あれ?」いつの間にかデルタの姿が消えていた。先家に帰ったのだろうか?倒れてぐちゃぐちゃになった掃除用具を避けながら三人は図書室へ入っていった。

「同助、パソコンでアダ○トサイトでも見てたんだロォ?」「そんな訳!まあ見てて。」
胸を踊らせながら棚にある本を引っ張る。ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ、ドーン....
「階段...?この部屋にそんなものがあったなんて...」

僕たちは古代遺跡を通り抜け、あの花畑へとやってきた。
そういえばデルタくんはどこへ行ったのだろう?もしまたモンスターに襲われたらどうしよう....。恐怖と不安がジリジリと心を蝕んでいく....。
「ワォ!図書室の下に花が咲いちゃってるヨォ」「でも、全ての花が枯れているわ...。」
花は何かに押し潰されているかのように、元気なく萎んでいる。

僕たちはなぜここにいるのかを考えた。
呼んでいる、魂が。そして心に響く笛の音。前に進めばナゾの答えが見つかる気がする。
「二人とも、突然だけど話がある。」二人に異世界であったことををしっかりと説明した。
「なんだか私、その化け物が許せないわ。」「何かが始まる予感がするヨォ!ワクワク」

「絶対にわからせる...この輝きで。」傷だらけの手のひらで宝石は輝く。
こうしてあの真っ黒な化け物を倒すことを目標に冒険が始まったのであった....。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

リモート刑事 笹本翔

雨垂 一滴
ミステリー
 『リモート刑事 笹本翔』は、過去のトラウマと戦う一人の刑事が、リモート捜査で事件を解決していく、刑事ドラマです。  主人公の笹本翔は、かつて警察組織の中でトップクラスの捜査官でしたが、ある事件で仲間を失い、自身も重傷を負ったことで、外出恐怖症(アゴラフォビア)に陥り、現場に出ることができなくなってしまいます。  それでも、彼の卓越した分析力と冷静な判断力は衰えず、リモートで捜査指示を出しながら、次々と難事件を解決していきます。  物語の鍵を握るのは、翔の若き相棒・竹内優斗。熱血漢で行動力に満ちた優斗と、過去の傷を抱えながらも冷静に捜査を指揮する翔。二人の対照的なキャラクターが織りなすバディストーリーです。  翔は果たして過去のトラウマを克服し、再び現場に立つことができるのか?  翔と優斗が数々の難事件に挑戦します!

「鏡像のイデア」 難解な推理小説

葉羽
ミステリー
豪邸に一人暮らしする天才高校生、神藤葉羽(しんどう はね)。幼馴染の望月彩由美との平穏な日常は、一枚の奇妙な鏡によって破られる。鏡に映る自分は、確かに自分自身なのに、どこか異質な存在感を放っていた。やがて葉羽は、鏡像と現実が融合する禁断の現象、「鏡像融合」に巻き込まれていく。時を同じくして街では異形の存在が目撃され、空間に歪みが生じ始める。鏡像、異次元、そして幼馴染の少女。複雑に絡み合う謎を解き明かそうとする葉羽の前に、想像を絶する恐怖が待ち受けていた。

アサシンのキング

ミステリー
経験豊富な暗殺者は、逃亡中に不死鳥の再生を無意識に引き起こし、人生が劇的に変わる。闇と超自然の世界の間で、新たな力を駆使して生き延びなければならない。

ユートピア

紅羽 もみじ
ミステリー
一見、何の変哲もない事件。しかし、その裏を探っていくと歪み切った人間たちの思惑が交錯していた。 「彼ら」を救えるのは、事実か、虚実か。

パシリは、観ていた

空川億里
ミステリー
 都内で資産家の男性が殺される。が、犯人と思われる被害者のドラ息子には鉄壁のアリバイが‼️  捜査を担当した警視庁捜査一課の警部補は、このアリバイを破れるのか⁉️  アリバイ破りがメインの中編ミステリ小説です。

冤罪! 全身拘束刑に処せられた女

ジャン・幸田
ミステリー
 刑務所が廃止された時代。懲役刑は変化していた! 刑の執行は強制的にロボットにされる事であった! 犯罪者は人類に奉仕する機械労働者階級にされることになっていた!  そんなある時、山村愛莉はライバルにはめられ、ガイノイドと呼ばれるロボットにされる全身拘束刑に処せられてしまった! いわば奴隷階級に落とされたのだ! 彼女の罪状は「国家機密漏洩罪」! しかも、首謀者にされた。  機械の身体に融合された彼女は、自称「とある政治家の手下」のチャラ男にしかみえない長崎淳司の手引きによって自分を陥れた者たちの魂胆を探るべく、ガイノイド「エリー」として潜入したのだが、果たして真実に辿りつけるのか? 再会した後輩の真由美とともに危険な冒険が始まる!  サイエンスホラーミステリー! 身体を改造された少女は事件を解決し冤罪を晴らして元の生活に戻れるのだろうか? *追加加筆していく予定です。そのため時期によって内容は違っているかもしれません、よろしくお願いしますね! *他の投稿小説サイトでも公開しておりますが、基本的に内容は同じです。 *現実世界を連想するような国名などが出ますがフィクションです。パラレルワールドの出来事という設定です。

ガレキの楽園

Olivia
ミステリー
一度終わった世界で旅をする話

鳥になれた男

大望
ミステリー
ある男の不思議なお話。

処理中です...