あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第十三楽章 先輩は大変だ。

初心者の子

こうして部活動見学も３日が経ち
だんだんとくる人数も少しだけど収まりつつあった。
そして少しずつだけど新入生の顔を覚えてきた。

「あのー見学してもいいですか？」

「あ、うん。やっぱりトランペットとかフルートかな？トロンボーンもいいよ。」

すると一年生の男の子が雨宮に話しかけて来た。背は雨宮と同じくらい。肩幅ががっちりしてる。

「あ、、そうじゃなくてその先輩の持ってる楽器吹いてみたくて。」

「え？これ？」

「はい、。」

「本当に？」

「え？」

「後悔してない？」

「え？な、なんのことですか？」

びっくりした。
ホルンに来る子なんて初めてだ。
しかも男の子。

「おいおい。雨宮。今まで人が集まらなかったってびっくりしすぎだろ。」

睦月先輩が雨宮のことを笑う。

「う、、と、ともかく吹いてみよっか。
これマウスピース。」

「あ、、はい？
わかりました。」

ブーブーと音を鳴らす。

「お、いきなり音出た。
早いね。みんな最初は出ないんだけど。」

「いや、たまたまですよ！」

「いやいや、楽器つけてみよっか。
持ち方は右手ベルの中に入れて左手はキーのところに添えるように。
猫背にならないように前を向いて、、。」

「こうですかね？」

「そうそう。息を沢山使って思いっきり。」

すると男の子はチューニングBの音が出た。
初心者にしては大きな音だ。

「お、出た！初心者でも大きな音はなかなか出せないんだよ。」

「そうなんですか？嬉しいです！」

「自分は中学からこの楽器やっててもし興味あったら希望して！」

「はい！」

う、眩しい。
キラキラしてるよ目が、、。