上 下
471 / 481
第十三楽章 先輩は大変だ。

一緒に食べない?

しおりを挟む
「いやー、、なんか春休み気分抜けねぇー。」

「もう4月だぞ。」

「だって春休みも朝から部活だったろ?
だから朝練して昼飯食ってそれで午後練習、、、。俺そっちがいい。」

「まぁ気持ちはわかる、、。」

竹下のことも少しわかる。

するとスマホに連絡が来た。
誰からか確認すると若菜だった。

今日一緒に食べない?
場所は、、。

「あ、悪い。ちょっと飯食う約束してて。」

「若菜か?」

「違う。友達。」

「お前友達いないんじゃなかったっけ?」

「うるさい。」

雨宮は弁当を持って若菜のいる場所に行く。
体育館の奥の倉庫、、。

あ、ここだ。

「あ、お疲れ。」と若菜。

「お、おう。お疲れ様。」

釣られて雨宮も返事をする。

2人で向かい合ってご飯を食べる。
、、、静かだ。

「ねぇ、、。新入部員集まりそうかな?」

「うーん。でも杉山先輩から聞いたんだけど今年はたくさん集まりそうだって。
経験者も多いって川村先生と田中先生も言ってたって。」

「そうなんだ。よかった。
頑張ろう!」

「おう。」

「クラスどう?同じ部活のメンバーは?」

「竹下や絢辻はいつも通り元気。
でも百瀬はいつもクールっていうか。
何言っても怒られるんだよな。」

「洸が何かしてるんじゃない?」

「えー、、。」

「あはは。」

若菜が無邪気に笑う。

「そ、、そっちは?」

「うーん。優実ちゃんも日比谷ちゃんもいつも通り。今度の休み3人でどこか行こ~とかそんな話ばっかり。」

「へー楽しそうだな。
それにしてもちょっと寒いな。」

「うん。私のブランケット使う?」

「え?あー、、大丈夫。」

なんか2人で毛布入るのはいろいろとなんか、、、。
恥ずかしいな。

「まぁともかく今はご飯食べて元気になって新入生100人!」

「溢れちゃうよ。」

「あははは、、。」

少し寒い体育館の奥の倉庫で
2人の笑い声が小さく響いた。







しおりを挟む

処理中です...