あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第十一楽章 目指した先には

並んで座る2人

「ほいあったかいお茶。」

「ありがとう。」

じゃんけんで負け雨宮は若菜に
お茶を奢る。
雨宮は若菜の隣に座り
一口お茶を飲む。
あったかいものが体全体に伝わる。

「、、、寝れないのか？」

「うん。そっちも？」

「うーん。まぁそんなところ。
明日金取れるといいな。」

「いいなじゃなくてとるんでしょ。」

「あ、あぁ。悪い。とる、絶対。」

「、、、私は自分を証明したい。」

「ん？」

「この大会でソロを大会で吹いて北浜で金賞をとる。」

「若菜変わったよな。」

「え？」

「最近、自分が自分がって言わなくなったよな？みんなでって。」

「べ、、別に私は。」

「照れんなって。別に気にしてないから。
若菜が先輩のこと大好きってことは。」

「う、、うるさい！！」

「みんなにメッセージで送っとこうかな。
痛い痛い。叩くなって。」

「ちょっと！やめてよ。スマホちょっと見せなさいよ。」

雨宮はスマホを取り出してメッセージを送るふりをしようとしたら若菜はそうさせまいと雨宮のスマホを取ろうとする。

若菜にスマホを取られないように
右手を上にあげる。
すると雨宮はバランスを崩して若菜と一緒に
倒れてしまった。

「あ、、、。」

顔が数ミリの近いまま時が止まる。
そして数秒後で若菜は起き上がる。

「やめてよ。明日怪我したらどうすんの？」

「、、、ごめん。」

「じゃあおやすみ。」

「、、、うん。」

あのまま倒れていたらどうしてたんだろう。

静かなロビーで雨宮は一口お茶を飲む。

今更になってものすごい恥ずかしくなり
熱くなる。

お茶より熱い。