あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第十一楽章 目指した先には

最後のレッスン

「よし、多分今日が最後のパート練習になるかな。」

「あ、はい。」

今日は全国大会前日３日前。
栗本先生が提案し最後のパート練習ということになった。
みんなは合奏やりたそうにしてたが。

篠宮先輩に言われ思った。
何か企んでるのかこの人。

「な、、何か企んでるんですか？」

「私をなんだと思ってるの？」

「いや、だって篠宮先輩のいうことはいつもろくでもないことばかりで振り回されて僕は毎回毎回鬱になりそうで、。」

「あはは！！ごめんごめん。
気づかなかったよ。」

そこは気づけよ。

「、、、。で、なんかアドバイスくれるんですか？」

「うーんアドバイスっていうかなんて言うかその周りを見れる目？」

「え？」

「やり方はねぇ、。」

「ちょっと待ってください。
なんで知ってるんですか？」

「え？知ってるも何も最初から気づいていたよ。」

「は？じゃあなんでもっと早く教えてくれないんですか？」

「だって私から言ったら意味ないじゃん。
自分で気づいて自分のものにするから武器になるんだよ。」

「、、意地悪。」

「なんか言った？」

「い、、いえ。」

「まぁともかく。あとは簡単だよ。自信を持って吹くこと。」

「それだけですか？」

「うん。最高にかっこ良くない？
自分がブラスバンドの舵を取ってる。」

「、、はい。最高にかっこいいです。」

「ホルンのかっこよさに気づいた？
ソロを吹く以外の裏方のカッコよさ。
さぁ、最後のレッスンをしてあげる。」

「お、、お手柔らかに。」

最高にかっこいい裏方の仕事。
それが自分にできる。

篠宮先輩と最後のレッスンだ。