あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第十一楽章 目指した先には

1人だけど

片岡栞子はオーボエを掃除していた。
本番前に壊れるのは嫌なので
今回ばかりは念入りだ。
全国大会、、いかん緊張してるのかぁ、。

「そういえば私ってずっと個人練習だな、、、。」

オーボエは1人しかいない。
なのでパート練習もクソもないのだ。

だからいつも自分に時間が使える。
だけど少し他のパートが羨ましかったのは事実だ。

後輩や先輩。
少し羨ましい。

「、、、、。静かだ。」

ふと思う。あれ？
こんなに静かだっけ？
すると各教室からいろんな音が聞こえてくる。

トランペットの音。
遠くから聞こえてくるが響いてくる。
4階のどこかの部屋にいるな。

サックスの音が聞こえてくる。
これは下の部屋から音がするから
きっと中畑の音だろう。

そうか、、私この時間が1番好きかも。

すると廊下からパタパタと足音がこちらに向かってくる。
この特徴的な足音はすぐわかる。

「一緒にやろ栞！！」

「私も、、！お願いします。」

荒木と後輩の縦石ちゃん。
リード仲間だ。

「、、はいよ！」

私は1人じゃない。