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第十一楽章 目指した先には
壁
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「ふー。」
超えたい。
でも超えられない。
自分の頭の中にある理想の演奏はあるのに
それが体で表現できない。
さっき洸は何か掴んでた。
小林もどんどん上手くなってる。
一年生もみんな上手くなってる。
私だけ何もない。
変わってない。
「、、もう一度。」
若菜は自分のスマホの録音ボタンを押し
演奏をスタートする。
そしてその録音した音楽を流して聴く。
しかし上手くない。
周りなんてまったく気にしてなかったのに
気になってしまう。
なんでだ。
今まで気にしなかったのに。
「落ち着け。
別にこんなこと沢山あったじゃん。
なんでビビってんの?
あれ、、なんで手震えてんの?」
わからない。
「大丈夫か?」
喋りかけてきたのは部長の中畑先輩。
「あ、、すみません。」
「どうした?らしくないなぁ。」
「、、あの、、部長は緊張とかしますか?」
「え?」
「え?」
「あ、いや。若菜がそんな質問するとはびっくりした。」
「、、、私だけ全然上手くなってないような気がして。
みんな上手くなってのに。」
「きっかけ掴んだだけだと思うけどなぁ。
でも焦るよなそんなところを見れば。」
「、、、はい。」
「ソロなんて三年生が吹くべきだ。」
「え?」
「一年生にプレッシャー与えて
常に勝負事に全責任負わせるようなことを入部してきた一年生に吹かせるなんて
俺らは無責任すぎるよな。ごめん。辛かったよな。」
すると中畑先輩は若菜に対して深く頭を下げる。
「ちょ、、やめてください!
私は吹きたくて吹いたんですから。」
「、、、だけど吹かせたのはサックスの三年と三年がいなかったから。
俺がもっとうまかったら若菜に吹かせることなくもっとのびのびやらせてあげれたのにって思った。
本当にすまない、、」
「そんな、、。」
「だけど若菜がソロを吹いてきてくれたから
ここまで来れた。
ありがとう。」
「、、、。」
「だからこれで俺たち三年生は泣いても笑っても最後。
だけどこの曲のソロを吹けるのは若菜だけ。
だから若菜に任せる。
自分の吹きたいように吹け。
音楽は自由だから。」
、、、。
吹きたいようにかぁ。
中畑先輩が北浜高校のことをどう思ってるのかわかった気がする。
超えたい。
でも超えられない。
自分の頭の中にある理想の演奏はあるのに
それが体で表現できない。
さっき洸は何か掴んでた。
小林もどんどん上手くなってる。
一年生もみんな上手くなってる。
私だけ何もない。
変わってない。
「、、もう一度。」
若菜は自分のスマホの録音ボタンを押し
演奏をスタートする。
そしてその録音した音楽を流して聴く。
しかし上手くない。
周りなんてまったく気にしてなかったのに
気になってしまう。
なんでだ。
今まで気にしなかったのに。
「落ち着け。
別にこんなこと沢山あったじゃん。
なんでビビってんの?
あれ、、なんで手震えてんの?」
わからない。
「大丈夫か?」
喋りかけてきたのは部長の中畑先輩。
「あ、、すみません。」
「どうした?らしくないなぁ。」
「、、あの、、部長は緊張とかしますか?」
「え?」
「え?」
「あ、いや。若菜がそんな質問するとはびっくりした。」
「、、、私だけ全然上手くなってないような気がして。
みんな上手くなってのに。」
「きっかけ掴んだだけだと思うけどなぁ。
でも焦るよなそんなところを見れば。」
「、、、はい。」
「ソロなんて三年生が吹くべきだ。」
「え?」
「一年生にプレッシャー与えて
常に勝負事に全責任負わせるようなことを入部してきた一年生に吹かせるなんて
俺らは無責任すぎるよな。ごめん。辛かったよな。」
すると中畑先輩は若菜に対して深く頭を下げる。
「ちょ、、やめてください!
私は吹きたくて吹いたんですから。」
「、、、だけど吹かせたのはサックスの三年と三年がいなかったから。
俺がもっとうまかったら若菜に吹かせることなくもっとのびのびやらせてあげれたのにって思った。
本当にすまない、、」
「そんな、、。」
「だけど若菜がソロを吹いてきてくれたから
ここまで来れた。
ありがとう。」
「、、、。」
「だからこれで俺たち三年生は泣いても笑っても最後。
だけどこの曲のソロを吹けるのは若菜だけ。
だから若菜に任せる。
自分の吹きたいように吹け。
音楽は自由だから。」
、、、。
吹きたいようにかぁ。
中畑先輩が北浜高校のことをどう思ってるのかわかった気がする。
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