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第十一楽章 目指した先には

帰還

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「よし、準備オッケー。」

雨宮は譜面台を準備し楽譜をチェックする。
クオリティを上げる。
ただそれだけ。

隣を見る。
篠宮先輩はまだ来ない。

もうすぐ部活が始まるのだが、、。

「雨宮くん。大丈夫?」

「あ、、はい。大丈夫です早乙女先輩。」

「そう?なんか元気ないように感じたから。あれ以来連絡はとった?」

「あ、いえ。とってません。」

「そうかぁ。あ、、なんかムカついてきた!今日きたら怒っちゃおうかな!」

「え、!ちょ、、それは、、」

「冗談冗談!!」

早乙女先輩は怒るみたい。
なるべく穏便にすませたいが、、。

「え?おい!」と時田先輩は叫んだ。

「うそ!」と横田先輩が驚いた。

雨宮は扉側が騒がしかったので振り向いた。
するとそこにはあの人がいた。

「お待たせしました。」

「え?」

片手にはホルンを持った篠宮先輩。
紛れもない篠宮先輩だった。

戻ってきたのだ。

「篠宮先輩~!!!!」

部員はみんな篠宮先輩に集まった。
それもそのはずだ。

横山先輩と縦石先輩は篠宮先輩に抱きつく。
よほど寂しくて辛かったのだろう。

「ちょっともう、、2人とも恥ずかしいじゃん。」

「よかった、、。」

陣内先輩もほっとしている。

すると三年生の先輩たちは篠宮先輩の頭を叩く。

「痛っ!」

「散々迷惑かけて。」と原田先輩は怒った。

部内は静かになる。
原田先輩が怒るなんて珍しい。
先輩たちは怒ってる人、嬉しい人。
それぞれなようだ。

「ほい!」

早乙女先輩は篠宮先輩にデコピンする。

「ぐぅ、、。」

「ちゃんと理由話してよ。」

「うん、、、。みんな本当にごめんなさい。」

篠宮先輩はみんなに頭を下げた。

やっと戻ってきた。
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