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第十一楽章 目指した先には

入部してしばらく経った頃 部長になる男

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二年生最後の夏の大会が終わり
北浜高校は新体制となった。
部長に任命された中畑は部室に行き片付けをしようと部室に入る。

すると机の上に日誌が置いてあった。

「あ、、、。」

8月6日

今日で、僕の最後の県大会が終わりました。
県大会金賞。
ですが東海大会に行けませんでした。
悔しい。めちゃくちゃ悔しい。
ですがもう挑戦できません。

この悔しさを北浜高校は絶対忘れてはいけません。

この無念は必ず後輩たちが悔しさを晴らしてください。

「またみちゃった、、、。」

サックスになった。

中畑は未経験者だった。
けれど1人の部員が熱心に勧誘してきたのだ。

「君、吹奏楽部やらない?」

「え、俺ですか?」

「うん、部長の木村です。」

「あー、、すみません僕帰ります。」

「ちょ、ちょちょちょちょっと待ってよ!!話だけでも!!」

「吹部って経験者じゃないときついですよね。楽器とかも買わないと、、。」

「いや!楽器は貸し出せるし大丈夫!何も問題はない!さぁ!部室に行こう!!」

「いや!なんの解決にもなってないですよ。それに部活は入らないって決めてるんで!!」

「まぁまぁそうと言わずお菓子もあるから、、」

「駄菓子屋かよ。」

そのあとも熱心に勧誘され心が折れ
中畑は入部した。

「でもなんで俺が部長になったんだろうか。」

部長にもっと相応しい人間はいる。
篠宮や有村や片岡や原田や荒木。

なんでだろうか、、。

確かみんなからの指名でなった。

「中畑がいいと思う。」と篠宮。

「うん。俺も。」と原田。

「意義なし!」と有村。

「えー、、。」

中畑は困る。
渋々だが引き受けることになった。

すると部長になってしばらく経った頃。
中畑は篠宮に話しかけられた。

「中畑はできる人できない人の両方の気持ちがわかるでしょ?それにみんなと仲いいでしょ?」

「そうかな?」

「まとめ役がいないとだめなんだよ。
確かに上手い人がなるって大事だと思う。
けどその人は技術だけ。
部長になる人はそれ以外が備わってないとね。」

「、、、うーん。」

「私がなったら新しく入ってくる一年とか厳しくて辞めちゃうかも。」

「あ、、じゃあ俺やるわ。」

そんな感じで引き受けたのだ。
まとめ役。

部活にはいろんな人間がいて
個性や技量や得意不得意。
十人十色なのだ。

「さぁ、、あと少しだ。」

全国まであと少し。

泣いても笑っても。




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