357 / 625
第十一楽章 目指した先には
入部してしばらく経った頃④
しおりを挟む
全国見に行くからね。頑張ってね。
「あ、懐かしい。桐谷先輩からだ。」
桐谷先輩からメッセージが来た。
桐谷先輩は私が一年生のとき三年生の先輩だ。初心者の私に優しく指導してくれたいい先輩だった。
「じゃあ一緒に練習しようか。」
「は、はい!お願いします。」
コントラバスの貝原優は3年生の先輩である
桐谷先輩と練習していた。
すっかり夕方。外を見るとすでに
暗くなり始めている。
私は初心者。
本当は木管楽器とか金管楽器になるもんだと思ってた。
けど、、、、私の手には大きなバイオリンが収まっていた。
弓を持ちゆっくり動かす。
しかし桐谷先輩みたいに上手く吹けない。
「はぁ、、ダメだな。」
「優ちゃん。だんだん音出てきたよ。その調子!」
「ありがとうございます。でも上手くいかなくて。」
「まぁ初めのうちはそんなもんだよ。私も全然上手くなかったし。」
「そうなんですか?」
「うん。本当はトランペットやりたかったし。」
「あ、私もです。フルートとかホルンとか可愛いですよね。」
「わかるー。私も!!
合奏のときなんかみんなうるさいしコンバスの音なんて聞こえないよね。」
「あ、、それわかります。指ちょんちょんしてて意味あるのかなぁって思います。」
「指ちょんちょん、、。あはは優ちゃんの気持ちわかるなぁ!!」
すると桐谷先輩は姿勢を正し弓をもう一度しっかり握る。すると目つきが変わる。
「、、?」
「でもね、コンバス弾けるようになるとめっちゃ楽しいよ。バンドのベースも弾けるようになるしこの曲も弾けるようになるよ!」
重低音のしっかりした音を桐谷先輩は
鳴らし始めた。めちゃくちゃ早く左手右手を動かす。
「みてて!!」
テレビでよく流れるあの曲が聞こえてくる。
情熱大陸。
ヴァイオリンじゃない。
コントラバスで2人しかいない教室で
桐谷先輩はコントラバスの演奏を披露する。
まるでその姿を。
「見ろ!!!!!」
と言わんばかりにその姿を貝原に見せる。
夕日が差し込む。
その光は桐谷先輩を輝かせるのには充分すぎるスポットライト。
曲が終わると貝原は拍手をしていた。
上手くなりたい。
それが一番の目標。
「あ、懐かしい。桐谷先輩からだ。」
桐谷先輩からメッセージが来た。
桐谷先輩は私が一年生のとき三年生の先輩だ。初心者の私に優しく指導してくれたいい先輩だった。
「じゃあ一緒に練習しようか。」
「は、はい!お願いします。」
コントラバスの貝原優は3年生の先輩である
桐谷先輩と練習していた。
すっかり夕方。外を見るとすでに
暗くなり始めている。
私は初心者。
本当は木管楽器とか金管楽器になるもんだと思ってた。
けど、、、、私の手には大きなバイオリンが収まっていた。
弓を持ちゆっくり動かす。
しかし桐谷先輩みたいに上手く吹けない。
「はぁ、、ダメだな。」
「優ちゃん。だんだん音出てきたよ。その調子!」
「ありがとうございます。でも上手くいかなくて。」
「まぁ初めのうちはそんなもんだよ。私も全然上手くなかったし。」
「そうなんですか?」
「うん。本当はトランペットやりたかったし。」
「あ、私もです。フルートとかホルンとか可愛いですよね。」
「わかるー。私も!!
合奏のときなんかみんなうるさいしコンバスの音なんて聞こえないよね。」
「あ、、それわかります。指ちょんちょんしてて意味あるのかなぁって思います。」
「指ちょんちょん、、。あはは優ちゃんの気持ちわかるなぁ!!」
すると桐谷先輩は姿勢を正し弓をもう一度しっかり握る。すると目つきが変わる。
「、、?」
「でもね、コンバス弾けるようになるとめっちゃ楽しいよ。バンドのベースも弾けるようになるしこの曲も弾けるようになるよ!」
重低音のしっかりした音を桐谷先輩は
鳴らし始めた。めちゃくちゃ早く左手右手を動かす。
「みてて!!」
テレビでよく流れるあの曲が聞こえてくる。
情熱大陸。
ヴァイオリンじゃない。
コントラバスで2人しかいない教室で
桐谷先輩はコントラバスの演奏を披露する。
まるでその姿を。
「見ろ!!!!!」
と言わんばかりにその姿を貝原に見せる。
夕日が差し込む。
その光は桐谷先輩を輝かせるのには充分すぎるスポットライト。
曲が終わると貝原は拍手をしていた。
上手くなりたい。
それが一番の目標。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。
鷹鷲高校執事科
三石成
青春
経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。
東京都内に広大な敷地を持つ全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、そんな貴族に仕える、優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。
物語の中心となるのは、鷹鷲高校男子部の三年生。
各々に悩みや望みを抱えた彼らは、高校三年生という貴重な一年間で、学校の行事や事件を通して、生涯の主人と執事を見つけていく。
表紙イラスト:燈実 黙(@off_the_lamp)
ヤマネ姫の幸福論
ふくろう
青春
秋の長野行き中央本線、特急あずさの座席に座る一組の男女。
一見、恋人同士に見えるが、これが最初で最後の二人の旅行になるかもしれない。
彼らは霧ヶ峰高原に、「森の妖精」と呼ばれる小動物の棲み家を訪ね、夢のように楽しい二日間を過ごす。
しかし、運命の時は、刻一刻と迫っていた。
主人公達の恋の行方、霧ヶ峰の生き物のお話に添えて、世界中で愛されてきた好編「幸福論」を交え、お読みいただける方に、少しでも清々しく、優しい気持ちになっていただけますよう、精一杯、書いてます!
どうぞ、よろしくお願いいたします!


未冠の大器のやり直し
Jaja
青春
中学2年の時に受けた死球のせいで、左手の繊細な感覚がなくなってしまった、主人公。
三振を奪った時のゾクゾクする様な征服感が好きで野球をやっていただけに、未練を残しつつも野球を辞めてダラダラと過ごし30代も後半になった頃に交通事故で死んでしまう。
そして死後の世界で出会ったのは…
これは将来を期待されながらも、怪我で選手生命を絶たれてしまった男のやり直し野球道。
※この作品はカクヨム様にも更新しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる