あの音になりたい! 北浜高校吹奏楽部へようこそ!

コウ

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第十一楽章 目指した先には

入部してしばらく経った頃③

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「あ、、。リード折れちゃった。
やっちゃったー。」

名瀬はお気に入りのリードが折れてしまい
ガッカリしていた。

クラリネットやバスクラリネットによく使われる大事なのものだ。
金管楽器はマウスピースがあるが
それと同じくらい大事なものだ。

「買いに行くか~。」

名瀬は勉強しようと思っていたが
なかなか机に座ることができなかったので
家で楽器の整備をしていた。

向かう場所は楽器屋フォルテ。
北浜に入ってからずっとお世話になっている。バスクラリネットは吹部にあった楽器を使っている。

名瀬は自分の楽器が欲しいと何度も思っていたが値段に毎回打ちのめされている。

絶対いつか手に入れてやる。

そんなことを思い店に入る。

「いらっしゃいませ!!」

店長の大和田さんは不在のようだ。

名瀬は従業員の女性の方にぺこりとお辞儀をしリードを探す。

「あった。」

「あれ?名瀬じゃん。」

「ん?」

振り向くとそこには中山夏木がいた。

「あ、、いやぁ、その、、ほら!!勉強だよ!勉強!!」

「いやいや。関係ないでしょ。」

「う、、。そっちこそ!」

「わ、私は気分転換にちらっと。」

「、、、、。」

「う、、、。なんか食べ行こうか?」

「お、、おう。」

そんなこんなで名瀬はリードを買い、
夏木も何か買ったみたいだ。

そして名瀬は夏木に釣られて
近くのカフェに来ていた。
2人は飲み物を注文した。

「偶然だね。」

「、、、まぁな。」

「勉強進んでる?」

「それ俺に聞く?」

「ははは。もう進路のこと考えたくないよー。」

「そんなこと言ったてしょうがないだろ。」

「ずっと部活のことやってたいよー。
全国出るんだから合格にしてくれたっていいよね?」

「どう言う理屈だよ。」

「あ、、あぁ。私北浜卒業したくない。」

「そうか。てっきり夏木は早く卒業したいかと。」

「最初はそう思ってた。けどもう少ししかないと思うと卒業したくない、、、。
私、ずっとうっちーや梓ちゃんともっと吹いていたいよ。」

「、、、、泣いてる?」

「ぐす、、。う、、うぅ。」

「なーんだ。お前結構泣くのな。」

「名瀬は?悲しくないの?伊藤くんともっとやりたいって思わないの?」

「あー。あいつは俺に結構卒業してもたくさん来てくださいとは言われてる。
まぁこれで会えなくなるとかないからなぁ。」

「うう、、、。」

「泣くなって。なんか奢ってやるよ。」

「本当!!!!!!!!」

「嘘泣きか!」

くそ!騙された。








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