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第十一楽章 目指した先には
入部してしばらく経った頃①
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「全国まで1ヶ月ちょっとかぁ。」
今日は駅コンサートが終わり久々の一日休み。だけど受験生は辛い。
重い腰を上げ野末は勉強を再開する。
「、、、、目標かぁ。」
いつも野末はあの時のことを思い出す。
それは篠宮美玲に初めて喋りかけた時のことだった。
「ねぇ、篠宮さんは経験者だっけ?」
「ん?うん!」
北浜に入学してを一二週間かな。
経ってしばらくの頃。
私、、、野末は篠宮美玲に初めて声をかけてみた。理由はただ一つ一年生の中であまり喋ったことがなかったからという単純な理由だ。
「中学からって言ったけど本当は小学3年生から。」
「おー、凄いね。私初心者だから。」
「フルートやりたかったの?」
「うん!私ね先輩たちの演奏見てて特にフルートかっこよくて!今は沢木先輩につきっきりで一生懸命教えてもらってる。」
「そうなんだ。」
「うん!篠宮さんはなんで」
「美玲でいいよ。名前でいいよ。」
「そ、そう?じゃあ美玲さんはなんで北浜に入ったの?やっぱりうちの部結構強いのかな?」
「さん付けはやめてって。
、、、北浜の吹奏楽部は強くないよ。私はホルンがやれればどこでもいいんだ。」
「そ、、そうなんだ。」
「まぁでも上手くなるといいね。」
「うん!」
その篠宮美玲の笑顔は無理矢理にでも作ったかのような顔だった。
あのとき北浜がどのくらいの強さかわかってたんだ。
初心者の私にはわからない。
音楽をやってきた人だからわかる。
美玲は北浜の吹奏楽部に入りたくて入ったわけじゃない。
私はやっと美玲のことがわかった。
楽器がやりたくて入部したんだ。
別に篠宮美玲は北浜高校吹奏楽部に興味がない。
だけど彼女は上手い。
彼女と私は仲良くなった。
だが私はコンクールで勝ちたい。
篠宮は楽器さえできればいい。
コンクールには興味がない。
そんな篠宮美玲という存在にただだだ
嫉妬と劣等感が自分に積もっていくのだった。
そしていつのまにかそれをひたすらに隠す自分が完成していったのだ。
今日は駅コンサートが終わり久々の一日休み。だけど受験生は辛い。
重い腰を上げ野末は勉強を再開する。
「、、、、目標かぁ。」
いつも野末はあの時のことを思い出す。
それは篠宮美玲に初めて喋りかけた時のことだった。
「ねぇ、篠宮さんは経験者だっけ?」
「ん?うん!」
北浜に入学してを一二週間かな。
経ってしばらくの頃。
私、、、野末は篠宮美玲に初めて声をかけてみた。理由はただ一つ一年生の中であまり喋ったことがなかったからという単純な理由だ。
「中学からって言ったけど本当は小学3年生から。」
「おー、凄いね。私初心者だから。」
「フルートやりたかったの?」
「うん!私ね先輩たちの演奏見てて特にフルートかっこよくて!今は沢木先輩につきっきりで一生懸命教えてもらってる。」
「そうなんだ。」
「うん!篠宮さんはなんで」
「美玲でいいよ。名前でいいよ。」
「そ、そう?じゃあ美玲さんはなんで北浜に入ったの?やっぱりうちの部結構強いのかな?」
「さん付けはやめてって。
、、、北浜の吹奏楽部は強くないよ。私はホルンがやれればどこでもいいんだ。」
「そ、、そうなんだ。」
「まぁでも上手くなるといいね。」
「うん!」
その篠宮美玲の笑顔は無理矢理にでも作ったかのような顔だった。
あのとき北浜がどのくらいの強さかわかってたんだ。
初心者の私にはわからない。
音楽をやってきた人だからわかる。
美玲は北浜の吹奏楽部に入りたくて入ったわけじゃない。
私はやっと美玲のことがわかった。
楽器がやりたくて入部したんだ。
別に篠宮美玲は北浜高校吹奏楽部に興味がない。
だけど彼女は上手い。
彼女と私は仲良くなった。
だが私はコンクールで勝ちたい。
篠宮は楽器さえできればいい。
コンクールには興味がない。
そんな篠宮美玲という存在にただだだ
嫉妬と劣等感が自分に積もっていくのだった。
そしていつのまにかそれをひたすらに隠す自分が完成していったのだ。
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