あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第十楽章 駅コンサート

何かの縁

「すみません、ごちそうさまでした。」

「何言ってるんだ？かわいい教子のためだ。今日くらいいいだろう。」

「はぁ、、あ、ありがとうございます。」

「もう、遅いな。車で送る。」

「え？いやいや！そんな悪いですよ。」

「いや、本番も近いんだし、早く帰って休んだ方がいい。乗れ。」

「は、、はい。」

拒否権はないようだ。
林先生の車に乗る。

「林先生の車変わらないですね。
ビートルって言いましたっけ？」

「車は古ければ古いほど味が出る。」

「は、ははは、、ビンテージものみたいなもんですかね？」

「そんなところだ。」

林先生と雨宮を乗せたビートルはお店を出てゆっくり走り出す。

「それにしても、、。これも何かの縁か、、。」

「え？」

「漫画みたいじゃないか？中学の時の先輩と高校の全国大会で会うって約束するなんて。普通できないぞ？」

「うーん、でもあんまりそういう感じないんですよね。」

「ほう？」

「全国決まって河村先輩と戦うぞってなって自分の中でうぉぉぉってなると思ったたんですけど実感ないんですよね。全国の舞台に立ったらそうなるんですかね？」

「うーんまぁそんなもんだろうな。
でも燃えないか？」

「、、、はい！河村先輩を倒す最後のラストチャンスですからね！」

「お前悪い顔するようになったな。」

「え？」

「ははは。お、ついたぞ家。」

「あ、ありがとうございます。
飯までご馳走になっちゃって。」

「大物になったら返してくれ。」

「あ、返す前提なんだ。」

「じゃあな雨宮体だけは大事にな。」

「はい！」

雨宮は降りて林先生にお辞儀をすると
林先生を乗せたビートルはゆっくりと走り出し暗闇の中に消えて見えなくなってしまった。

またいつか。