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第九楽章 ドタバタの文化祭

アンコール

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「以上で演奏を、、、すみません!最後にもう一曲いいですか?」

中畑先輩がマイクを持ち観客席に聞く。

お客さんたちから拍手が飛び交う。

「お願いしまーす!!」

雨宮のクラスメイトが声を出す。

「今日は本当にありがとうございました。
みなさんにとって良い1日になりますように。」

「ワンツースリーフォー!!」

絢辻がアゴゴベルのリズミカルな音楽でスタートする。

「今日は本当に本当にありがとうございました!では聞いてください宝島!」

全員で合わせていく。
フォルテッシモで綺麗で大きな音を鳴らしていく。

するとなぜかみんな各々立ち上がって演奏しはじめた。それに釣られて雨宮も立って演奏しはじめた。

メロディーが進んでいく。
そしてホルンのグリッサンドの最高音
High D。
中学の時は何度も練習したっけ。

そしてアルトサックスのソロが始まる。
左足に重心を置いてリズムに乗って揺れながら吹いている。

にしてもアルトサックスのソロ多くない?

そんなことを思いながら雨宮は裏メロを吹く。そしてアゴゴベルのリズムがもういちど入る。

「みなさんありがとうございます!!!
手拍子の方もう一度よろしくお願いします!!」

川村先生が観客席を盛り上げる。
観客席からの拍手の音が一段階大きくなった気がする。

トランペット、トロンボーン、ユーフォニアムのメロディーが始まる。
大きな音量で割れた音が学校中に響く。

そしてもう一度、雨宮と篠宮先輩のグリッサンド。ふと横を見ると篠宮先輩は偶然なのか篠宮先輩と目が合う。
篠宮先輩はこっちを見て微笑む。
とても楽しそうだ。

全ての楽器の音が重なり会場全体が最高潮に達する。全てのものを出し切り演奏が終了した。

「ありがとうございました!」

「ありがとうございました!!!!」

部員全員は観客席に向かってお辞儀をする。

観客席から温かい拍手が鳴り止まなかった。

「、、ふー。」

雨宮は大きく息を吸い込み空を見上げる。
空には小さな巻雲がある快晴の天気だった。









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