あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第八楽章 東海大会編

部活日誌

学校に戻ってきた北浜高校は
部員もほとんどが帰宅し、中畑だけが部室に残っていた。
部活日誌だけ書いてあとは戸締りするだけ。

「今日の、、ことは喜びまた、、明日から東海大会にむけての、、、、よし！書けた。」

部活日誌は歴代の部長がずっと書き続けてるものだ。

ふと気になり中畑は書類や楽譜がたくさんしまってあるロッカーから部活日誌を探す。
先輩はどんなこと書いてたんだろうか、、。

「えーとあ、これこれ、。」

それは中畑がまだ一年生だった時の
部長が書いていた部活日誌だった。

4月6日。　部長　木村

今日は入学式、一年生たくさん入れるぞ。
経験者はなるべくたくさん声をかけます。


「木村先輩、こんなこと書いてあったんだ。まぁ、、部室に無理やり連れてかれたけど。」

当時、中畑は部長の木村先輩に部室に連れて行かれたのを思い出した。
とても元気がよくパワーが溢れ出てる先輩だった。
中畑はページをめくる。

4月25日。

一緒のパートになってくれたアルトサックスの一年生の中畑くん。
ホルンの経験者の篠宮さん。
なんとオーボエとトランペットの経験者の子もいて演奏に厚みが出そうです。
一年生に負けないように頑張ります。

5月3日

ゴールデンウィークの練習頑張ります。
一年生はまだ慣れないなか一生懸命ついていってくれています。

「こんなことも書いてあったんだ。
知らなかった。この時は練習でついていくのがやっとで周りのこと見れなかったんだよなぁ、、。」

6月20日

中日吹では銀賞。
本当に悔しいです。ですが全日吹があります。県大会で必ず金賞をとって東海大会に行きます。

「、、。木村先輩。」

7月19日

夏休みの長期休暇に入ります。
みんなこの暑さのなかみんな頑張ってます。
最後の夏、合宿頑張ります。

「最後の夏、、。」

8月6日

今日で、僕の最後の県大会が終わりました。
県大会金賞。
ですが東海大会に行けませんでした。
悔しい。めちゃくちゃ悔しい。
ですがもう挑戦できません｡

この悔しさを北浜高校は絶対忘れてはいけません。

この無念は必ず後輩たちが悔しさを晴らしてください。

「、、木村先輩、、。」

次のページをめくる。
それ以降木山先輩の書いた形跡はなかった。

「木村先輩、もっと話したかったなぁ。」

後悔ないように。

全国で北浜高校として。

そして部長として。

そしたら木山先輩に会いに行こう。