あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第八楽章 東海大会編

あの時の

中畑先輩、原田先輩、篠宮先輩の上層部の幹部３人に怒られた後、雨宮はバスの席に座り
外から会場を見つめていた。

「よ、問題児。」と大海が茶化す。

「うるさいな。」

河村先輩元気そうだった。
明光ヶ丘は強い。
なんとしてでも河村先輩に勝ちたい。
だけど勝つ前に北浜で全国で金賞を取りたいのが1番の目標なんだけど。

「全国かぁ。」

ぼそっと呟いてしまった。

「おいおい。もう次のこと考えるの？」

「え？いやぁ。あ、なんだ篠宮先輩か。」

「なんだって？
まぁ初めての全国大会だもんね。でも今日は全国に行けない団体が私たち以外で12校もいる。」

「、、、。」

「その吹奏楽部の思いも背負って全国で演奏する。意味わかる。だから東海代表として恥をかかせるような演奏は絶対にしないこと。」

「はい。」

「よし、それでいい。今日はゆっくり休んでまた次から頑張ればいいさ。」

「はい。」

「それに見てみなよ｡バスの中｡」

「ん？」

バスの中を見渡す。
しかし特に変わりはないように見える。

だが学年関係なくみんなおしゃべりを楽しむグループ。

疲れて寝てしまっている先輩たちや同級生。

「この景色はこの結果があったからだよ。
それはみんなが頑張ったからだよ。」

「、、、。はい！」

「よし、じゃあ先輩から直々におにのとっくんしてあげるから！」

「、、、勘弁してください。」

「ははは！！」

やれやれまだこの人と一緒に吹くことになりそうだ。

「バス出発するよ！」

北浜高校吹奏楽部を乗せたバスは
太陽が沈んだ夏の日の夕方、ゆっくりと走り出した。