あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第八楽章 東海大会編

課題曲 春の道をゆこう

「12番　静岡県立北浜高校。課題曲IV
自由曲　岡部惣介作曲　星の旅」

スポットライトが明るくなる。
観客席の方は暗いのであまりしっかり見えないが沢山の人がこっちを見てるのが認識できる。

栗本先生は指揮台の上でいつもの笑顔で
自分たちを見つめる。
そしてゆっくりと右手をあげる。
部員全員は楽器を構える。

栗本の先生の指揮に合わせ曲が始まった。


金管のファンファーレ｡
それに続く木管、パーカッションのティンパニー、グロッケン、バスドラム｡
高く高く伸びてマーチが始まった。

続いて木管の軽やかなメロディー｡

ワクワクするような音が会場に伸びていく。
小刻みに意気のあった演奏をするのは木管の頼りになる先輩たち｡

頼もしい音が聞こえてくる。

そしてシンバル、バスドラム、パーカッションのメンバーがリズムを刻んでくれる｡

ブレることなく叩かれるリズムに沿って雨宮も裏打ちで重ねていく。

途中からクラリネットの綺麗な音で演奏がスタートする｡
クラリネット3人がリズムを作る。それに続いて木管、金管、パーカッション、コントラバス全てが重なっていく。

正直言って全国がどんなところかわからな
い。いつからだっけもう少し頑張ればよかったとかどうせ無理だろうとか諦めグセがついていたのは｡
ホルンが嫌いになった時もあった。

でも北浜高校の先輩たちや同じ学年の奴らと演奏していた時は楽しかった。

でもこのメンバーと吹けるのも最後｡

だからこんなところで
北浜の演奏を終わらせたくない！

そして全てが一体となり課題曲が終わりを迎える。

音が最高潮に到達し栗本先生の指揮が止まる｡