229 / 627
第八楽章 東海大会編
初めての夏の大会が終わった日④
しおりを挟む
窓の外を見ながら雨宮は部活に入ってから初めてサボったのだった。
「なんか部室ってやっぱいいよね。私の思い出が全てつまっている。」
この人と一緒に。
「色々したなぁー。ご飯食べたり、遊んだり、おやつ食べたり。」
「全部音楽と関係ないじゃないですか。」
「えー別にいいじゃん。音楽家は前しか見ないから。」
「ちゃんと後ろみたほうがいいですよ。」
「ははは!!!」
この人はいっつもそうだ。やれやれ。
「やっぱり1番楽しかったのは一年生の時かな。全国にも行ったし。」
「あーそういえばそうでしたね。」
「うん。あのときは先輩たちに迷惑かけたなぁー。サボってたらすぐみつけられて怒られて遊んでたら怒られて。」
「怒られてばっかじゃないですか。」
「ははは!でも先輩たちは頼りになってあんなふうになりたいなぁと思っていっつも思ってた。三年生には頼りになる先輩になって君が入ってきて!」
「頼りある、、、先輩?」
「でも結局最後は悔しかったなぁ。全国行けなくて。やっぱり悔しかったなぁ。
それが心残り。」
河村先輩はニコッと笑っていた。だけどその表情は無理やり作ったような顔をしていた。
「私ね。愛知県の高校に行くの。」
「え?そうなんですか。」
「うん。来年から向こうに引越し。愛知におばあちゃんの家があるからそこに住みながら。」
「そうだったんですね。」
「だからしばらくさようなら。」
「、、、。」
「何?もしかして寂しい?」
「別に先輩と離れるのは寂しくないです。」
「そこはもっと寂しがりなさい。
でも雨宮と次会えるのはきっと東海大会かな。それか全国!」
「いや、吹奏楽やってるか分からないですよ。」
「いいや。やってるね。これは約束!!」
「は、、はあ。」
「じゃあお疲れ!」
「あ、あの、、!」
「ん?」
「卒業、、おめでとう、ございます。」
「ん!ありがとう!
じゃあまた!」
「はい。」
それから河村先輩とは会っていない。
元気だろうか、、、?
「なんか部室ってやっぱいいよね。私の思い出が全てつまっている。」
この人と一緒に。
「色々したなぁー。ご飯食べたり、遊んだり、おやつ食べたり。」
「全部音楽と関係ないじゃないですか。」
「えー別にいいじゃん。音楽家は前しか見ないから。」
「ちゃんと後ろみたほうがいいですよ。」
「ははは!!!」
この人はいっつもそうだ。やれやれ。
「やっぱり1番楽しかったのは一年生の時かな。全国にも行ったし。」
「あーそういえばそうでしたね。」
「うん。あのときは先輩たちに迷惑かけたなぁー。サボってたらすぐみつけられて怒られて遊んでたら怒られて。」
「怒られてばっかじゃないですか。」
「ははは!でも先輩たちは頼りになってあんなふうになりたいなぁと思っていっつも思ってた。三年生には頼りになる先輩になって君が入ってきて!」
「頼りある、、、先輩?」
「でも結局最後は悔しかったなぁ。全国行けなくて。やっぱり悔しかったなぁ。
それが心残り。」
河村先輩はニコッと笑っていた。だけどその表情は無理やり作ったような顔をしていた。
「私ね。愛知県の高校に行くの。」
「え?そうなんですか。」
「うん。来年から向こうに引越し。愛知におばあちゃんの家があるからそこに住みながら。」
「そうだったんですね。」
「だからしばらくさようなら。」
「、、、。」
「何?もしかして寂しい?」
「別に先輩と離れるのは寂しくないです。」
「そこはもっと寂しがりなさい。
でも雨宮と次会えるのはきっと東海大会かな。それか全国!」
「いや、吹奏楽やってるか分からないですよ。」
「いいや。やってるね。これは約束!!」
「は、、はあ。」
「じゃあお疲れ!」
「あ、あの、、!」
「ん?」
「卒業、、おめでとう、ございます。」
「ん!ありがとう!
じゃあまた!」
「はい。」
それから河村先輩とは会っていない。
元気だろうか、、、?
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説


会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~
八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」
ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。
蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。
これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。
一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

隣人の女性がDVされてたから助けてみたら、なぜかその人(年下の女子大生)と同棲することになった(なんで?)
チドリ正明@不労所得発売中!!
青春
マンションの隣の部屋から女性の悲鳴と男性の怒鳴り声が聞こえた。
主人公 時田宗利(ときたむねとし)の判断は早かった。迷わず訪問し時間を稼ぎ、確証が取れた段階で警察に通報。DV男を現行犯でとっちめることに成功した。
ちっぽけな勇気と小心者が持つ単なる親切心でやった宗利は日常に戻る。
しかし、しばらくして宗時は見覚えのある女性が部屋の前にしゃがみ込んでいる姿を発見した。
その女性はDVを受けていたあの時の隣人だった。
「頼れる人がいないんです……私と一緒に暮らしてくれませんか?」
これはDVから女性を守ったことで始まる新たな恋物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる