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第八楽章 東海大会編

自分との

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「なぁー雨宮、椎名一ってやっぱり凄いやつなのかな?」

「ん?どういうこと?」

合奏の休憩中に大海が話しかけてきた。

「いやあのさ。確かに椎名の演奏は上手いってわかるんだけどなんで上手いのかなって?他の人と違うのって何がちがうの?」

「あー多分、音色じゃないかな?」

「音色?ってなに?」

「人の声みたいなもんだよ。
例えば初心者の吹く音とプロが吹く音ってかなり違うだろ。」

「なるほど。じゃあ椎名のは声が良い歌手みたいなもんか。」

「凄い独特な表現だけどそんな感じ。」

「じゃあ凄いんだな。椎名って。」

「うん。」

「じゃあ椎名倒したら全国行けるかな。」

「、、、お前凄いこと言うな。
そんなの誰でも出来たら苦労しないよ。」

「わかんないだろ!
うちには若菜も小林もいるし頼りになる三年生と二年生もいる。このチームが負けるとこなんて俺には想像持つかねぇよ。」

「あーそう。」

「お前話聞けって。」

「聞いてるよでも他校との勝負じゃない。
自分との戦いなんだよ。演奏は。
自分たちのベストの演奏を本番の数分にぶつけなきゃいけない。だから倒すとか倒さないとかサッカーとかじゃないからな。」

「わ、、わかってるよ。」

「ふ、わかってるならいいさ。」

大海はいつも前向きだ。
だからこそ彼のようなメンタリティは見習わないといけない。

「、、あとは気持ちの問題か。」

雨宮はもう一度気合いを入れ直した。
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