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第七楽章 県大会が始まる。

花火②

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只今夕方6時。
少しまだ暑さはあるが昼間よりは
だいぶマシだ。

「浴衣、、着てきたんだ。」

「ん?うん。日本に来て初めてきた。アメリカにはなかったからお母さんが着せてくれた。」

「そ、そうなんだ。ゆ、浴衣もいいんじゃ、、ない、かな?」

「あれ?もしかして見惚れちゃった?」

若菜はにやにやしながら雨宮に聞く。

「べ、別に。ほら行くぞ。」

「はーい。」

夏祭りで沢山の人が集まっていた。
屋台も出ておりりんご飴や綿あめ。
焼きそばやたくさんの店が並んでいた。

「この先の橋のところでみんなと大海はいるって。」

「そうか。集合時間何時だっけ?」

「え?あっ、そういえばとにかく集まろうって感じで時間とか特に決めてなかったっけ。」

「やれやれ、まぁいいや。どこかでなんか買おうか。若菜は何か食べたいのか?」

「えっ?私?えーとりんご飴って何?」

「若菜はりんご飴知らないのか?」

「うん。初めて聞いた。」

「じゃあそれにしよう。」

2人はりんご飴の屋台に並ぼうとしたが
幸い並んでる様子はなくそのまま屋台で売り子をしているおじさんに話しかけた。

「すみません。りんご飴2つ。」

「はいよ。」

「ありがとうございます。」

「兄ちゃんイケメンだしお姉ちゃんも綺麗だな。2人とも若いね。」

「いや別にそんなんじゃあ。」

「ははは。」

「聞いてないし。」

「あっ洸。お金。」

「いいよ別に奢り。」

「じゃあありがたく。」

若菜は自分のりんご飴を雨宮のりんご飴に
グラスで乾杯するようにくっつけた。

「りんご飴で乾杯か。」

「ん。美味しい。」

「だろ。」

「初めて食べた。家でも作れるかな?」

「作るの?」

「作ってみたい。」

「ははは。気に入ってもらえたなら良かった。」

橋の上でみんなを待ちながら2人でりんご飴を食べる。こんな日が来るとは入学式の時には思ってもなかっただろうな。
しかもこいつと夏祭りに。

「今日はなんかほっとした。」

「えっ?」

「だって代表に選ばれてなかったら先輩たちともう吹けないんだって思ったら嫌でしょうがなかったからさぁ。」

「、、、そうか。自分も今日選ばれなかったらどうしようって思った。」

「北浜高校で全国行く。」

「ああ。東海大会はまじで名門高ばっかりだからな。頑張らないとな。」

「洸。全国行こうね。必ず!」

若菜の目の奥には強い意志が感じられた。

「おーい洸、若菜!お待たせ!」

大海たちが合流した。


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