あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第七楽章 県大会が始まる。

最後の音合わせ

少し時間が経ち北浜高校は控室に移動していた。

北浜高校は25校中19番目｡
早すぎもなく遅すぎもない。
順番的にもいいだろう。

「チューニングB♭｡」

栗本先生はクラリネットの中山先輩に指示する。中山先輩が吹くとそれに合わせてフルート、トランペット、トロンボーン、チューバが音を重ねていく。

だけどみんな少し緊張してるのか音が硬い。

「一旦大きく息を吸って吐きましょうか。
せーの。」

全員で深呼吸をする。

「はい、みんな緊張すると思うけど本番は楽しく｡これからずっと吹いていくんだから。もう逃げられません！！」

「あはは、」

「まぁ僕からは以上です。部長、何か。一言｡」

「えっ、えーと」

「はい、じゃあ私から。」

「はい、篠宮さん｡」

すると篠宮先輩は立ち上がりみんなに聞こえるように大きな声で喋り始めた。

「みんな私は絶対、東海大会に行きたいです。中日本のとき、あれほど悔しいと思ったことはなかった。あと一つ｡だけどもう悔しいのはもうたくさん。北浜はすごい昔は強かったいわれる。だけどそれが悔しい。
今日は北浜の演奏を響かせよう。」

「はい！」

「ほい、じゃあ原田！どうぞ！」

「えっ、この流れで俺？
まぁいいけど、じゃあ一年生に一言｡
失敗しても全責任は先輩達がカバーする。
自由にやってください。俺はパーカッションなんでソロはないけど、1番ソロを輝かせるから｡」

「はい！！」

小林と若菜の二人が1番声が大きく感じた。

「よし、じゃあ掛け声よろしく。
北浜高校！行くぞ！」

「おぅ！！！！」

部長の中畑先輩の声と同時に気合いが入った。

「北浜高校さん出番です。あと静かにお願いします！」

誘導係の女子生徒さんに言われてしまった。

「はーい｡」