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第七楽章 県大会が始まる。

なんか忘れてるような

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「ほい、譜面隠し。」

中畑先輩は雨宮に渡す。

「ありがとうございます。」

雨宮は荷物をもう一度チェックする。

「えーと譜面と楽器はトラックの中に詰めたから大丈夫。あとスケジュールも入れた。」

「はい。」

「ん?」

呼ばれ顔を上げると小林がネクタイを渡してきた。

「あ、ありがとな。」

自分でネクタイを結ぶ。

「忘れ物ない?」

「あぁ。してないと思う。だけどなんか不安になっちまうような。これもあれもって。」

「それは確かに。」

「小林くん。ちょっといい?」

すると遠くで野末先輩が呼んでいる。

「はーい。じゃあまた。」

「おう。」

雨宮はゆっくりとネクタイを結ぶ。
普段は春は学ラン、夏はワイシャツだからあまりネクタイを縛る習慣がない。

「何その結び方。私にやらせてみなよ。」

「えっ、梓。別にいいって。」

「いいから貸しなって。」

すると梓は雨宮の喉元にネクタイを縛った。
顔が近く雨宮は上を向いていたがなんか緊張する。

「あんた顔きもい。」

「あ?」

「何?ネクタイ結ばれて興奮した?」

「してねぇよ。」

「若菜が良かった?」

「は、べ、別に。そんなんじゃ、、」

「ふーん。」

すると梓は雨宮のネクタイを上まで上げ
首を絞めぎりぎり死なない程度まで結んだ。

「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!!!」

「おっ!なんか夫婦みたい、、じゃなくてなんか殺そうとしてないか?!!」

その異変に気づいた大海はすぐさま止めにきた。

危うく大会前に昇天するところであった。

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