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第六楽章 北浜高校の夏合宿

歯車

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「では、最後。課題曲、自由曲を通しで。」

「はい!」

栗本先生は指揮を振る。
そして課題曲が始まる。

金管のファンファーレ。高く高く伸びてマーチが始まる。

金管楽器のトランペット、トロンボーン、ユーフォニアムが響く。
木管楽器や低音楽器もそれに合わさって一体となって聞こえてくる。

「おっ、マーチこんなによかったけ?」

志柿先生は驚く。

「えぇ。音のベースの低音がいいですね。
ベースの低音が上手いと自然に響いて聞こえますからね。練習の成果出てますね。」

桃葉先生もそう思ったのか志柿先生と話す。

「いいね。少しずつ歯車ができてる。」

「歯車ですか?」

「うん。」

続いて木管のスキップしたくなるような軽やかなメロディー。ワクワクするような音が会場に伸びていく。

「おっ、昨日のオーディションやった子たちだ。」

「やっぱり個々で上手いんですよね。
特に野末さん、横山さんの2人は。」

「おっ、桃葉ちゃんがそこまでいうのは珍しいね。」

「先生つけ忘れてますよ先輩。」

「あっごめんごめん。」

「、、。ともかく5日間練習を見させてもらってたんですけど基礎がしっかりできてる。音もしっかりでてるし特にいうことはなかったんです。」

「ほぉ。」

志垣先生は顎に手を触った。
桃葉ちゃんがここまでいうのは珍しい。

「この中で1番上手いパートはフルート。
誰よりも2年間着実に信頼関係を深めて練習きたのはあの2人なんですよね。」

「なるほど。」

それゆえ突出したフルートパートが上手くて他のパートがついていけなかったのもあるのかな。

だけど今は1番練習してきたフルートパートに全員が同じ技量を身につけている。

「歯車二つ目だ。」


シンバル、バスドラム、パーカッションのメンバーがリズムを刻んでくれる。

「確かに最初の北浜吹部の印象はなんか
後輩を個性がある一年生を下で支える先輩たちのチームみたいな感じだったんだけど、、。」

「ええ、、私もです。思ってたことが訂正しないといけないですね。」

桃葉先生は苦笑いをしている。

途中からクラリネットの綺麗な音で演奏がスタートする。

クラリネット3人がリズムを作る。それに続いて木管、金管、パーカッション、コントラバス全てが重なっていく。
雨宮もついていく。何度も練習した。



全てが一体となり課題曲が終わりを迎える。
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