上 下
175 / 582
第六楽章 北浜高校の夏合宿

心が折れそうになるけど

しおりを挟む
「ここもう一度。」

「はい!」

みんなそれぞれよかったはず。だけど何かが足りない。五日間の最終日。
無理もない先輩たちも一年生も人間だ。
集中力がないのは百も承知だ。

「ダメ、もう一度。一旦休憩で!
バテた?もうやりたくない?そんなのみんな一緒だよ。」

「はい!」

部員全員で返事をする。
栗本先生は必死に指導している。
自由曲の星の旅をひたすらに繰り返している。

「10分休憩。終わったらすぐ始めるから!」

「はい!」

栗本先生は指揮棒を譜面台に置いてそのまま
部屋から出て行ってしまった。
いつもの栗本先生だが機嫌が悪いように見える。無理もない。

「あークソ!」

野俣先輩が声を上げて叫んだ。

「なんもできないまま終わっちまうよ。」

時田先輩が下を向きながら呟いた。

先輩たちも下を向いてる人がほとんどで
一年生全員、顔が暗かった。

雨宮も集中力が切れていた。

「お前ら顔を上げろ!」

すると中畑先輩が大きな声で部員全員を鼓舞する。

「部長!?」

陣内先輩がびっくりして中畑先輩の方を見る。

「これはあんまり言いたくなかったんだけどな。今日の練習は最終日。各部分を見直して最後に通しで一回やると思うんだけど朝からやって13時、いやもしかしたら14時になってしまうかもしれない。」

「はぁい?」

有村先輩は中畑先輩が言ってることに首を傾げている。

「このあとな。実は先生たちが話してるのを偶然聞いてしまったんだけどな、、。
いやぁやっぱりやめとこうかな。」

中畑先輩が普段ここまで話すのを悩むのは珍しい。

「中畑、言ってよ。気になるじゃん!」

中山先輩は中畑先輩に聞く。

「この後実は、練習が終わったら
先生たちのおごりでバーベキューだ!!!」


「、、、、。」







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

始業式で大胆なパンチラを披露する同級生

サドラ
大衆娯楽
今日から高校二年生!…なのだが、「僕」の視界に新しいクラスメイト、「石田さん」の美し過ぎる太ももが入ってきて…

性転換マッサージ

廣瀬純一
SF
性転換マッサージに通う人々の話

坊主女子:友情短編集

S.H.L
青春
短編集です

切り裂かれた髪、結ばれた絆

S.H.L
青春
高校の女子野球部のチームメートに嫉妬から髪を短く切られてしまう話

坊主女子:青春恋愛短編集【短編集】

S.H.L
青春
女性が坊主にする恋愛小説を短篇集としてまとめました。

処理中です...