あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第六楽章 北浜高校の夏合宿

水色の袋

「ごちそうさまでした。」

食堂に小林の姿はなかった。
練習後に昼飯を小林は食べにこなかった。

食べにこなずに練習しているのだろうか。
探しに行くか。

席をたち食器を片付ける。

「おっ！もう食い終わったのか洸｡」

話しかけてきたのは大海だ。

「ちょっと練習する。」

「おう！俺も行く｡」

「その前に早く食べなよ。」

「う、、わかってるよ。」

大海はモグモグと口を動かし始めた。

雨宮はそのまま食堂を出る。
小林はどこに行ったのか。

するとフルートの音が聞こえてくる。
窓を見る｡すると外のベンチで吹いている
小林を見つけた。

「あっいた。」

2日目の朝とは違い暑い夏の昼｡
ひたすらにフルートを吹いている姿がそこにはあった。

「はい。」

すると後ろから若菜が水色の袋を両手で
渡す。

「えっ？いつのまに｡」

「これ、おにぎり。小林、食べてないみたいだから渡してきて。」

「お、おう。さんきゅ！
でも、なんで？」

「いや、別に、、｡」

「もしかして、、ソロ吹いて欲しいのか？」

「べ、別に、、ソロなんて誰でもいいから｡
ただご飯食べないでたおられても困るし。」

すると、若菜は右手で左肘をさすりながら
顔を赤くしていた。

「ぷ、ふはははは。」

「なんで笑うのよ！！」

雨宮は若菜に肩を叩かれた。

「痛たただ｡」

「もう！！」

なんで毎日この人に叩かれなくてはならないだろうか？