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第六楽章 北浜高校の夏合宿

個々の

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「はい!」

10回目が終わった。
唇が痛い。

周りの部員を見ると皆疲れていた。

「では15分の休憩をとり全体で各箇所を治していきます。そしたら昼休憩にしましょう。」

「はい!」

「15分か。ちょっと吹いてくるか。」

有村先輩はそのまま部屋を出て行ってしまった。

「え?まじですか?」
雨宮はつい口に出してしまった。

「スゲェー。」

金子も驚いている。

雨宮は時計を見ると12時を指していた。
朝の9時前からスタートしてもう昼になってしまった。

「もうこんな時間。」

周りと合ってない。それは篠宮先輩に言われてドキッとしたが少し分かった気がする。
それはみんなが三日間を通してレベルアップしたのは確か。

みんな上手くなってるんだ。
先輩も同級生も。置いてかれたくない。

「あとはみんなのイメージしている音楽を合わせる。まだまとまってないだけなのかな。」

「おっ、よく気づいたじゃん。」

「え?篠宮先輩。」

「まぁ、いう必要なかったか。
だから言ったじゃん。カレーだって。」

「は?」

「それぞれの食材が一流じゃないといい味出ないでしょ。」

「ああーなるほどー。」

「バカにしてる?」

「いえ別に。」

雨宮は篠宮先輩と違う方向に首を向ける。
言ってることは正しいがなんか認めたくない。

「ホルンいい?」

「あっはい!」

ホルンと呼びかけられ振り向くと栗本先生が
雨宮の目の前に立っていた。

「前回のコンクールでカットされたところ
吹いてたね。」

「あっ、すみません。」

「いや、いいんだけど。」

前回のコンクールでカットされた裏メロ。
10回通しの中では注意されなかったので
全部吹いたが。

「だいぶよくなってる。この調子でお願いします。」

「はい!!」

吹いていい許可が出た。
思わず顔の筋肉が緩んでしまう。

「だけどまだまだ全然ダメだけどね。」

栗本先生はニコッと笑う。

「、、はい、、。」

やれやれ、、。

まだまだだな。






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