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第六楽章 北浜高校の夏合宿

とりあえず

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「はい、そこまで!」

志柿先生が演奏を止める。

雨宮は吹くのをやめる。他の先輩たちもストップする。

「うん、良くなったと思う。明日から合同で練習が始まると思うけど今の感じを明日やろう。」

「はい!」

「じゃあ夕飯まで休憩しようかな。」

「自主練でもいいですか?」

「いいよ。」

「よっしゃあ!おつかれ!」

有村先輩が声を上げる。

「ふー。」雨宮は息を吐く。
ずーと集中してから緊張の糸が解けた。
今までの練習して響く音もできるようになってきた。

「あまっちおつかれ。」

「お疲れ、優実もな。」

雨宮は水筒の蓋を開けて中身の水を飲んだ。
練習中に熱中症対策で少しずつ飲んでいたため飲み干してしまった。

「空っぽだ。」

「やっと風が入ってきたね。ほら、」

「ん?」

優実と雨宮も窓を見た。
もうすでに夕方になっており日が沈みそうだ。

するとお腹の虫がなった音がした。振り返ると前田先輩と目があった。

「あっ。」

「腹減りましたね。」と雨宮。

「本当だよ。マジで腹減った。」

前田先輩はお腹をさすりながらぼやいていた。

「もう少し練習しますか。」

「そうだな。雨宮、上手くなったな。」

「え?本当ですか?」

「うん。上手くなったよ。俺、ホルンうまく吹けないもん。」

「いや、前田先輩はユーフォニアムじゃないですか。」

「あはは!そうかそうか。」

前田先輩はいいことを言ってるのか悪いことを言ってるのかよくわからない。

「それはそうだね、うまくなった。」

すると話しかけてきたのは篠宮先輩。
この人から褒められるなんてなかなかない。
嬉しくなった。

「あっ、ありがとう、ございます。」

「ま!まだまだうちのエースには100万歩もあるけどね。」

「うぅ、、。」

さっきの嬉しくなった気持ち返して欲しいんだけど。

「雨宮くん!ここトランペットと一緒に吹いてくれない?」

有村先輩が雨宮に呼びかける。

「はーい。今行きます。」

雨宮は有村先輩のいるところに向かった。
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