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第六楽章 北浜高校の夏合宿

掴んだ③

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「はぁ、、、はぁはぁ、、吹けた。」

「いやぁー、よかったよ。雨宮くん。
カットされた部分は合宿中、一度も吹いてないのに」

志柿先生は喜んでいる。
喜んでいるようでよかった。

「すごいよ、雨宮くん。頑張った。」

篠宮先輩も拍手してくれている。

この人に引っ張られた気がするが。
特に吹くのをやめたところを吹けとは言われてないが。

すると教室の扉が開いた。

「あれ、篠宮が吹いてると思ったけど
雨宮くん?めっちゃ美味くなかった?」

「え?」

教室にきたのは有村先輩、荒木先輩。

すると後ろから睦月先輩、日明先輩。

「え?今の雨宮?めっちゃ上手くなかった?」

日明先輩が聞いてきた。

「凄いね。変わったね。」と睦月先輩。


は、先輩たちが褒めてくれる。
やばい、嬉しすぎる。

「あ、あ、あ、ありがとう、、ございます。」

表情筋がうまく作れない。
嬉しすぎる。
ポロッと涙が出た。


「えっ?雨宮くん泣いてんの?」

「いや、頑張ってよかったなって。」

「雨宮くん。泣くのは早い。」

「はははは!!」

先輩たちは笑う。

ホッとした気持ちが雨宮の中で
何かが弾けたような気がした。

「よし、もう午後から金管楽器を集めといて。パート練習!有村くん、篠宮さん頼むね。」

「はい!!」


さぁ、一年生のみんな。

俺は準備できたぞ!
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