あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第六楽章 北浜高校の夏合宿

また夜に

「いっただきまーす！」

大海は山盛りになった白米が入った茶碗を
持ちながら頬張る。

「気持ちいいほどよく食べるな。」

愛斗はその姿を見て箸が止まった。

「ふぇをもくぇもぉ？」

白飯を喉にかきこむ｡

「いや、何いってるかわからないんだけど。」

大海はまるで食べ物を口の中に蓄えるリスのように美味しそうに食べていた。


「朝からよく食べるね」

すると話しかけてきたのは名瀬先輩｡

「僕たちも見習おうよ。」

鈴木優先輩も一緒だ。

「そうですよ、先輩たち｡食わないと大きくなれないぞ。」

話しかけてきたのは日秋先輩だ。

「いやいや、日秋先輩｡背小さいんだからちゃんと日秋先輩も食べないと｡」

すると後ろから金子が日秋先輩を見ながら
喋りかけてきた。

その瞬間何か地雷を踏んだかのような大きな雷のような衝撃が落ちたような気がした。

「あっ」

「おい！」

「、、、バカ｡」


「おい、金子｡今なんて言った。」

「えっ、、」

「背がなんだって｡」

「あ、いや、その、」

「ちょっとこっちこい。」

「いや、先輩、あの、その、、、」

日秋先輩は金子の方を掴み廊下に連れて行かれてしまった。

「あーあ。俺知らない。」

名瀬先輩はそのまま席に着く。

「日秋くんに身長の話はタブーだよ。」

鈴木優先輩も呆れながら見ている。


「よし、ご飯ご飯｡あれ、先輩たちどうしたんですか？」

小林は席につこうとしたがその場の空気が
重くなってるのを感じた。

「なんでもない｡」

先輩たちは小林に伝えた。