あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第六楽章 北浜高校の夏合宿

疲れた体にピリッと辛さが伝わる｡

「うーん！美味しい！私、カレーが一番好き！」

優実は美味しそうにカレーを食べる｡

「それなんか昨日も言ってなかったか。」

「だって本当に美味しいよ｡」

「それは良かったよかった。」

優実はまるで小動物のようにカレーを頬張っている｡まぁ素直に感想を言ってくるならいいんだけど｡

雨宮も目の前にあるカレーを食べる。
お腹が空いたお腹にカレーが行き渡る。

「結構いけるな｡」

「はぁー｡」とため息をついていたのは一年生の大海、金子、愛斗｡

「どうしたんだよ｡いや疲れてさ｡」
大海がつぶやく｡

「俺も」と金子｡

「俺も、早く家に帰ってゲームして引きこもりたい｡」

愛斗は自分の欲望をそのまま告げた。
それはわからなくもない。

「いやいやもうちょっと頑張ろうぜ｡辛いと思うけど｡」

「なんでこんなに練習しなくちゃいけないんだろうか、、、」

「そりゃあ東海大会に行くためだろ！」

「そりゃあいきたいけど。」

「でもパート練ばっかりでいいのかな？
そろそろ全体練習したほうがいいんじゃないか？」

「うーん｡まぁ気持ちはわからなくもないけど｡」

雨宮は困った。なんて返せばいいんだろか｡
初心者から始めて間もない3人に無理矢理やらせるのも良くない｡

「まぁ3人のいうことはわかる。」

「ん？」

すると声をかけてきたのは篠宮先輩だ。

ヤベェ、怒られる｡そう思った雨宮は目を閉じたが帰ってきた言葉はあまりにも拍子抜けた言葉だった。

「うーんまぁみんななんて言うか。
みんなジャガイモなんだよね。」

「は？」と雨宮はなんのことだかさっぱりわからず驚いてしまった。

金子も愛斗も大海も目を合わせる。

「みんなジャガイモ、にんじん、お米、カレールー｡」

「いや、意味がわからないんですけど｡」

「ははは！じきにわかるよ。」

篠宮先輩はカレーのお皿を持ちそのまま洗い場に持っていった。

「全くどういうことだよ。」

「はぁ～｡」

全くもって意味わからない｡