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第六楽章 北浜高校の夏合宿

高みへ

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ここは食堂。
若菜はソロの譜面をもう一度見直していた。
その向かい合わせに座ってる桃葉先生。

若菜はソロのことで質問をしていたのだ。

「あの、もう少し音量は大きいほうがいいですか?」

「うーん、今のままも十分良いけどもう少し大きく吹いてもいいかな?明日それも試してみようか?」

「あの、今から見てもらっても良いですか?あといったん録音したいんですけど、良いですか?」

「そうだよね!わかりました!じゃあどこか部屋借りてやろうか?せっかくだし音楽ホールを借りようかな。」

桃葉先生は若菜の譜面を見て右手をテーブルにつけ人差し指でトントンと動かす。
頭の中で想像してくれてるのだろうか?

「若菜さんっていつからアルトサックスやってるの?」

「え、はい。元々アメリカ育ちで高校に来て、物心着いた時にはやってました。」

「え!!アメリカ!凄いね。じゃあ英語も話せる?」

「まぁ日常会話だったら、」

「凄いな。私、英語は勉強してこなかったから尊敬しちゃうな。他にも聞いてもいい?」

若菜と朝花はよく帰国子女で人に質問されることが多い。でも人から聞かれるのは嫌ではない。

「はい。」

「じゃあ、お父さんとお母さんの仕事の都合で日本に来たの?」

「はい。お父さんの母校が昔、共学だった海星女子なので。」

「そうなんだ。じゃあプロなの?」

「今は演奏してるところ見てないですけど今は音楽指導してるみたいで。」

「、、、どうりでお父さん譲りだと思た。」

桃葉先生はボソリと呟いた。
若菜は譜面を見るのに集中してるせいで
桃葉先生が喋ったように感じたが
何を喋ったのか分からなかった。

「、、、?えっと、その、とにかくよろしくお願いします。」

「うん、よろしくね。若菜さん!」

2人の夜練のソロレッスンが始まろうとしてる。
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