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第六楽章 北浜高校の夏合宿

自分にしか出せないホルンの音

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「うん、よく吹けてるよ。
だけど雨宮くん。ホルンの役割ってなんだと思う。」

「え、それは、」

「僕はホルンって魅力たっぷりで人間で言うといろんなこと知ってる美人なお姉さんな感じ!僕はそんな女性がタイプなんだよね、、、」

「へぇー。」

雨宮は急に女性の話になりなんで返したらいいのかわからなくなった。

「おいおい釣れないな、雨宮くんは年上は好みじゃないか。
やっぱりアルトサックスの子かい?」

「え、いや、違いますよ!!何言ってるんですか?」

「えっちがうの。なんだ、今日君のことずっと見てたけど違うかい?」

「と、とにかく、それが何か関係あるんですか?」

「おっとついつい脱線してしまった。
ホルンはメロディーも裏メロも裏打ちもなんでもやるよね。」

「はい、」

「ホルンはなんでもできなくちゃダメなんだよね。メロディーも伴奏も。全体のハーモニーがパートにも影響する。だからいろんなことを知ってる美人なお姉さんにならなくちゃいけない。」

「そうですね。それはわかるんですけどでもこの曲はやっぱり中心は花形のフルート、クラリネット、トランペットだと思うんですけど。」

「まぁそうだね。でもホルンは吹奏楽の全体のバランスを持っていることは確かだよね。つまり君はこの北浜高校の心臓にならなくてはいけない!」

志柿先生は雨宮に人差し指でこちらを指す。

「いや、心臓って大袈裟な。」

「なぜホルンはベルが後ろについてるかわかる?」

「え?それは音を響かせるため、、」

「そうだよ。ホルンはみんなの見本にならなくてはいけない。君がチームを引っ張りんだよ。」

志柿先生の声は雨宮に強く響いた。
なんか言ってることは無茶苦茶な気がするが
でも裏表のないこの言葉は強く聞こえた。

「どうすれば、北浜高校の心臓になれますか?」

「それは今から教えようかな。」

今から特訓が始まる。
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