あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第六楽章 北浜高校の夏合宿

合宿の朝は早い｡

朝、5時｡
目覚まし時計を止め雨宮は起きる｡
そのまま布団から体を起こして一階に降りる｡

そのままテーブルに座る｡

「あら、おはよう｡早いね。」

「いや、今日から合宿だから｡」

「知ってるわよ。」

そんなことを話しながら雨宮の母親は
ご飯の支度を始める。なんだかんだ言って
毎日ご飯作ってくれるのだからありがたい｡

「そういえば葉月は？」

「はーちゃんなら寝てるよ。
いつもなかなか起きてこないから休みの日は起きて欲しいんだけど｡」

そんなことをぼやきながら
洸の目の前にパンと目玉焼きが並ぶ｡

朝飯をチャチャっと済ませ準備をして
玄関に向かう｡
家に戻るのは５日後｡

「行ってきます。」

「はーい｡」

雨宮はそのまま家から出てバス停まで行く。

「あっ飲み物買ってかないと。」

バスに乗る前にコンビニに行く。
基本的に自転車通学だが、今日みたいな日はバスの乗り降りが多い｡

歩きながら向かってるとスマホに連絡通知が来る｡なんだろうと思いながら歩きながらスマホを見る｡

「うおっ！！」

「えっ！！うわっ｡」

雨宮は尻餅をついてしまい、地面に手をつく。

「あっすみません。」

「いいよいいよ。大丈夫大丈夫｡
ドォンとウォーリー！！」

男の人とぶつかってしまった｡
雨宮の不注意だった｡

雨宮とぶつかった男の人は手を差し出す｡

「大丈夫？」

身長は雨宮より少し高いくらい｡
だけど肩幅がしっかりしており体格はしっかりしていて、
肩から大きなケースをかけている｡

「いえ。大丈夫です！」

「うーん？！」

すると男の人は雨宮の手を掴み起こし
てくれた。
すると雨宮の手をじっと見つめていた。

「君、左利き？」

「いや、、右ですけど｡」

「そうか｡がんばってね。ホルン！」

「はい！」

男の人はそう言い残し、
その場を離れていった。

するとまたスマホに連絡通知が来る。
画面を見ると
小林から連絡が来ていた。


　バス乗った？


「ヤベェ。早く早く｡」

急いでコンビニに入る。

あれ、

なんであの人ホルンって分かったんだろう。