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第五楽章 北浜高校のリベンジの夏

迷い

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今日は北浜高校の合奏練習が16時からある。
栗本先生は学校の近くの喫茶店のカウンターでパソコン打っていた。

喫茶店の名前はBAR STORONG。

そして耳にはイヤホンをつけていた。
北浜学校の合奏練習をする前にこの喫茶店でひと休みするのが日課だった。

合奏の練習スケジュールを立てていた。
課題曲と自由曲は中日吹と一緒。
全日吹と同じ編成で行くつもりだ。

だが栗本は悩んでいた。

「このままでいいのか。俺、守りに入ってる気がする。」

栗本は頭を掻きむしる。
今年で六年目。栗本はオーケストラに所属して演奏していた。
そして一年経過したとき知人の紹介から
この学校を紹介してもらった。

そろそろ北浜高校を全国に連れて行きたい。
その気持ちは高まる一方だった。
今年は三年生も二年生も力がある。
一年生も不安定だがみんな実力はある。
特に木管楽器の一年生はレベルが高い。

その中でも頭を悩ませていたのが
自由曲のアルトサックスとフルートのソロだった。

「アルトサックスは若菜で行こう。だがフルートだな。この前は野末だったが中日吹の大会前では3人とも良かった。今年は変えるべきか。いやだけど三年生の野末は今年で最後だし。うーん。」

正直言うと栗本は今までチューバを
演奏していた。
もちろん指導できるの可能なのだが
栗本はあくまで全体の強化を行いたかった。
ソロを指導する時間があるかと言うと合宿中はかなり厳しい。

「どうしたの眉間に皺がよってるぞ。」
と話しかけてきたのは店長のマスターだ。
栗本の音大の同期だ。

「いやぁ。ちょっと悩んでいて。」

「北浜高校惜しかったな。」

「まあな。」

「またあの4人で飯でも食いに行こうよ。」

「今はお互い楽団に入ってるから予定組むのも大変だぞ。」

「まぁ全員プロになったのが凄いよな。」

その瞬間、栗本は体に電気が流れる。

「そうだ、、。それだ。」

「えっ。」

「あの2人に頼めばなんとかなるかもしれないぞ。」

頼んでいたコーヒーを一気に体に飲み干し
カウンターにお金を出す。

「ありがとうマスター。もう行くわ。」

「おう気をつけて行けよ。」

栗本はお店の扉を勢いよく外に飛び出す。

「全くあの時から変わってねぇんだから。」

マスターはつぶやく。


栗本は走って近くに止めてある車まで走る。
荷物を車内に入れてポケットのスマホを取り出し電話する。

「もしもし、今いいか?」




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