あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第五楽章 北浜高校のリベンジの夏

馬鹿と天才は紙一重

「そ、そんなぁーー。どど、どうすれば」と大海｡
すると雨宮に抱きつく。


時田先輩、谷川先輩、日明先輩はすでに真っ白になっており、仏のような顔になっていた。


「おいお前らイクなー！」と篠宮先輩は必死に二年生の先輩たちを現実に戻そうとする。


「どうしよう。私｡」とトロンボーン担当の優実は悲劇の主人公みたいに落ち込んでいた。


「期末テストの補修は夏休み｡そこが合宿と被ってしまったんだよね｡校長にも頼んで見たんだけどずらすことができなかった。」

と川村先生は残念そうに呟いた｡
全力で手は尽くしたそうだ。


「まぁ、学生の本業だからな｡通りたくなくても通らなくてはいけないからな｡うん。」
と栗本先生は言った。それもそのはずだ。


「まぁまぁ優実｡普通に普段の授業やってれば大丈夫だってこの前の中間テストどうだったの？」と絢辻が優実に聞く。

「私、この前、学年下からビリ30位だったんだけど大丈夫かな｡」

「えっ。」と絢辻は驚く｡

「えっ。」と優実も驚く。


「終わった。」と若菜は笑っていた｡
でもその目はすでに笑っていなかった。


「なーちゃん、、｡」と若菜を励ます、朝花｡



最悪の夏が始まってしまった。