上 下
66 / 582
第四楽章 中部日本吹奏楽コンクール

仕上がってきた。

しおりを挟む
フルートのソロが野末先輩に決まって
数日後。中部日本吹奏楽コンクールまで残り
12日となった。

雨宮は篠宮先輩ではなく早乙女先輩と教室でマンツーマンで練習していた。
なぜ篠宮先輩ではないかというと
部長と副部長の原田先輩と3人で話し合いをしてるらしい。
本当は個人練習しようと思っていたが
篠宮先輩が早乙女先輩に指導をお願いしたらしい。

「じゃあもう一回、あのフレーズとこやろうか。フルートとアルトサックスのソロをやった後早くなるとこの裏メロ。」

「はい。お願いします。」

「ワンツースリーフォー」

息を早く吸い込み正確にリズムに乗って。
毎日の練習もあって吹けるようになってきた。
でもまだまだ本調子ではないが70%程だろうか。篠宮先輩のように自由に吹けないが。

「はい。そこまで。だいぶ吹けるようになったね。」

「はい。ありがとうございます。」

「明日の演奏頑張ってよ。これでも先輩たち雨宮に期待してるんだから。」

「えっ。いやぁ。まさか。」

「本当だよ。篠宮にきつく言えるのは今のところ部長と副部長とホルンの雨宮くんだけなんだから。」

「ああっ、そこですか。」と雨宮は苦笑いする。

早乙女先輩とは中音パートではよく話す。
もう1人の水越先輩とはまだあまり喋ったことないけどよく一年生の川口優実とよく一緒にいる。

「じゃあ5分休憩しようか。自由にしてて。」

「わかりました。」
雨宮はホルンのマウスピースを外して布で拭く。楽器の水を雑巾から出して軽く綺麗にする。
早乙女先輩は自分の譜面に何かメモをしている。しばらく沈黙がお互い続いていた。

「あのー。」雨宮は気になったことがあったので早乙女先輩に話しかけた。

「ん。どうした?」

「そのー篠宮先輩って普段どういう人なんですかね、、」

「あーそれ聞いちゃう?
まぁ、私も正直行って美玲のことはよくわかんないんだよね。私も仲良くなったのって2年生からだし。」

「あんまり喋らなかったんですか?」

「うーん。まぁ違う楽器だからね。
美玲は雨宮が入ってくるまでしばらく1人だったし先輩とあまり仲良くしてるところもあまり見なかったかな?でも天才だからホルンも上手いしテストだって毎回一位だもん。これぞまさに非の打ち所がない。」

「マジっすか。篠宮先輩って頭良かったんだ見えない。」

「普段から何考えてるからわからないし、
あっいけないいけない。練習しよっか?」

「あっはい。お願いします。」

もう少し聞いていたかったが篠宮先輩のことはさらに謎が深まってしまった。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

坊主女子:友情短編集

S.H.L
青春
短編集です

保健室の秘密...

とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。 吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。 吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。 僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。 そんな吉田さんには、ある噂があった。 「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」 それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~

蒼田
青春
 人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。  目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。  しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。  事故から助けることで始まる活発少女との関係。  愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。  愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。  故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。 *本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

俺の家には学校一の美少女がいる!

ながしょー
青春
※少しですが改稿したものを新しく公開しました。主人公の名前や所々変えています。今後たぶん話が変わっていきます。 今年、入学したばかりの4月。 両親は海外出張のため何年か家を空けることになった。 そのさい、親父からは「同僚にも同い年の女の子がいて、家で一人で留守番させるのは危ないから」ということで一人の女の子と一緒に住むことになった。 その美少女は学校一のモテる女の子。 この先、どうなってしまうのか!?

処理中です...