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第四楽章 中部日本吹奏楽コンクール

心にかかったモヤモヤを

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「それじゃあもう一度全体で練習して、、」

ホルンパートは金管楽器の中音パートで集まって練習していた。
一つのクラスに6人集まっていた。

三年生のトロンボーンの水越先輩、早乙女先輩。
同じくホルンの篠宮先輩。
二年生のトロンボーンの陣内愛子先輩。
一年生は雨宮と川口優実が集まって練習していた。

あの写真が気になりすぎてどうも集中できない。

「あの人が誰かわかればスッキリするんだけどなー。」

「なんか言った雨宮くん?」
すると目の前には篠宮先輩が立っていた。

「やば。」

「全く、全然集中できてないでしょ。ほら顔洗ってきな。」

「すみません。」

するととなりに座っていた川口優実が声をかける。

「大丈夫?あまっち?」

「あまっち?俺のこと?」

「そうだけど。嫌だった?」

「いや、別に嫌ではないが久々にあだ名をつけてもらった気がするよ。」

「なんか昔嫌なことあったの?」と優実が苦笑いする。

「顔洗ってきます。」

「いってらっしゃい。」
雨宮は廊下に出て水飲み場を目指す。
すると水飲み場にマウスピースを洗ってる人がいた。
たしか名前は睦月葵先輩だ。

「お、お疲れ様です。」

「うん。お疲れ様。休憩中?」

「まぁそんなとこです。」

「どうしたの?」

「あ、いや、なんか今日はあまりうまく吹けなくて。」

「そう言う時もあるよね。」とニコッと睦月先輩は笑う。
なんでいい人なんだ聖人か。
一年生の天才どもとは全くちがう。

「睦月先輩と喋ったら悩みなんか吹っ飛びました。ありがとうございます。」

「僕なんか凄いことしたかな?まぁいいんだけど。じゃあね。」

「はい。では。」と睦月先輩はその場を去ろうとするが雨宮の顔を見る。

「雨宮くん。篠宮先輩どう?」

「えっ。どうって別に、、、」

「いい先輩だけど気をつけてね。あの人掴み所がないから。」

「え?それってどういう、、」

睦月先輩は向こうへ行ってしまった。

篠宮先輩は何か隠しているんだろうか。




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