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休符 演奏家たちの休日

少し一息。演奏家たちの休日。②

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待ち合わせの駅近くの映画館に着く。
ゴールデンウィークで映画を見に来ている親子。カップルや子供たちが多い気がする。
映画なんて久しぶりだ。
テレビでやってる再放送のやつとかレンタルしたものしか見ないから雨宮にとっては久しぶりだ。
そんなことを思い約束の時間まで待つ。
しかし大海は来ない。
「それにしても遅いな。どうしたんだろ。」
大海は待ち合わせに遅れるなんて一切ない。
部活には毎日出てるし、意外と課題だってだし忘れたことない。時間は守るほうだ。
すると大海から連絡が来る。

「雨宮、映画館着いた?」

「着いたけどどうした?」

「実はその用事ができて、ばあちゃんが入院しちゃってそっち行かなくちゃいけなくて、、だからその、、」
どうやら大海の祖母が入院したらしい。少し落ち着きがなかった。

「まぁそれなら仕方ないな。またいこうぜ。」

「すまん。ごめんな。」

「いいよいいよ。気にすんな。」

「そのかわり俺の代役呼んだから。その娘と楽しんで。」と大海は雨宮に返事した。

「えっ。大海の代役。」

「そう。俺が連絡したから。じゃあまた部活で楽しんでな。」

「おう。また。」

「悪いなじゃあ。」と電話を切る。

映画の電光掲示板を見る。大海の言ってた作品は11時30分から。
まだ20分くらいあるが、一体誰が来るのだろうか。

「はぁー誰なんだろ。」とため息をつく。
仕方ないとはいえ下を向く。雨宮は少しがっかりする。

「えっ。もしかして大海が読んだのって雨宮?」

誰かに呼ばれたような気がしたので顔を上げる。そこには知ってる顔が立っていた。

ジーンズの上着に白のロングスカートにピンクのヒール。ピンクの小さなカバンを肩からかけていて少し赤みがかかった髪を後ろでポニーテールにしてカチューシャをつけていた
大崎若菜が立っていた。
元々顔立ちもいいがメイクもしており一瞬誰だかわからなかった。

「えっ。若菜?」

「私は大海に明ちゃんが来るって聞いたんだけど。」

「あいつ。騙したな。俺が来るなら若菜は来ないと思って。」

「そ、そ、それはそうだけど。」
なんか動揺してるように見えたが気のせいか。しかし何か若菜からいい匂いもするし
それになんかこの男女が休日に揃って遊ぶことはつまりあれじゃないのか。
雨宮は周りをキョロキョロする。
他のお客さんが雨宮と若菜を見ながら話をする。

「ねーあの子可愛くない?」

「隣彼氏かな?でも釣り合ってないな。」

失礼な奴らめ。比較されてるな。

「ふふっ。」若菜が笑う。どうやら噂されてるのが聞こえたようだ。

「まぁ今更悔やんでもしょうがないしね。もう映画見ようか。チケットどこで買うの?」



なんかどうでも良くなってきた。




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