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第三楽章 新生北浜高校吹奏楽部

コンクールの曲②

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3–C。篠宮先輩と雨宮は教室に入る。
さすが三年の先輩。教室の場所もすぐにわかる。

すると中に入ると金管楽器のメンバーが集まっていた。

トロンボーンの水越先輩と早乙女先輩。
二年生の陣内先輩。そして一年生の川口優実。

「おっす。みんなえらいね。来てるなんて。」

「それはこっちのセリフ。」と早乙女先輩。

そんなやりとりを見ていると、
ユーフォニアムの前田先輩、鈴木優先輩。
そしてテナーサックスの部長の中畑先輩が入ってくる。

「みんなお疲れー。」

「お疲れ様です。」と部長に挨拶する。

「じゃあ譜面配ろうか。」

6月にある中部日本吹奏楽コンクールに北浜高校は大編成で参加する。
コンクールは大編成と小編成の二つの部門がある。
A編成とかB編成とか呼ばれたりするが
だいたいこの呼び方をされることが多い。

高校生は大編成は55人以下、小編成は35人以下や25人以下で演奏をする。各学校ごとに人数が多いところ少ないところ様々だがソロぞれにあった部門で参加する。
大編成は全国大会まであるが小編成は東海大会、支部大会まである。

ここが大きな違いである。そのため強豪校のほとんどが大編成で参加する。
北浜高校はその大編成で参加しようとしてるのだから強豪校と戦わなくてはならない。

「課題曲と自由曲の2つずつね。」と中畑先輩は各パートごとに配っていく。

大編成は二曲演奏する。
課題曲は何個か候補がありその中から選んで演奏する。
小編成は自由曲の1つだけなのだが。

課題曲 佐藤邦宏 作曲
マーチ「春の道をゆこう」

自由曲 岡部惣介 作曲
     「星の旅」

雨宮は譜面を見て確認する。
他の先輩たちも譜面を見て確認する。

「他のバンドがやってた録画したのが動画に上がってたのでみんなでそれ一回聞きましょうか?」
とユーフォニアムの鈴木優先輩が中畑先輩に聞く。

「そうだね。流してみようか。」
篠宮先輩がCDをポケットから取り出して曲を流す。この人はいつでも持ち歩いてるみたいだ。

CDプレイヤーから課題曲、自由曲が流れてくる。マーチは軽やかでリズムが心地よい。

課題曲の「星の旅」は最初はゆったりとしたフレーズからフルートとアルトサックスのソロを挟み早いテンポ。途中でウィンドチャイムがシャララランと入ってくる。打楽器も多く使うみたいだ。

とってもいい演奏で。だが失敗したら全てが
崩れそうで。

「課題曲は五つある中で栗本先生が選択したよ。自由曲は星の旅。この曲はまだ新しくて岡部惣介先生作曲かな。」
篠宮先輩の解説が入る。

雨宮は楽譜を見て期待と不安が混じりながら
ホルンの譜面を見る。
「この曲、吹けるだろうか。」
雨宮が今までホルンをやって来た中で1番難しいんじゃないかと思ってしまった。
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