あの音になりたい！ 北浜高校吹奏楽部へようこそ！

第二楽章 久しぶり吹奏楽部

全国に行くということは。

そんなこんなで雨宮は本屋に来ていた。
なぜここに来ているのかというと単純に寄り道である。

先ほどまで楽器を散々体験していたが
栗本先生が
「楽器を決めるのは明日発表するね。いろいろ触ってもらったけど一年生いろいろあって疲れただろうし今日は解散！お疲れ様。」

いきなり長い時間練習するのかと思っていたが違っていたみたいだ。

まだ時計は18時にもなっていない。5時半。
夕方になっておりスーツを着た社会人。学生たちが帰宅する時間帯なのか人が多く見られた。
そのためまだ家に帰るのは早いと思いこうして本屋に入って時間を潰していたわけだ。
もちろん立ち読みだ。


雨宮の読む本は基本決まっている。車の雑誌をぱらぱらっとめくりその後に吹奏楽部や楽器の雑誌を見る。本を見ると無性に欲しくなるがその気持ちは抑えて読む。

すると今年の吹奏楽コンクールの記事を見つけた。中には注目するべき楽団が載っていた。

大きな見出しにはこう書いてあった。

海星女子学園今年も金賞を！！

やはり注目は今年も静岡県大会に出ている高校か。それが同じ地区で出ているということ。

さらに下に読み進めるとこう書いてあった。


今年の天才十傑。
アメリカ帰りの一年生帰国子女
オーボエ奏者椎名一、海星女子学園での
起爆剤となるか。


こんな記事が載ってあった。
どうやら今年は天才が10人もいるらしい。
まぁ俺らには関係のないことだと思った雨宮だった。

買おうとレジまで持っていこうと思ったが我に帰りそっと本があった元の位置に戻しておいた。