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第一楽章 始まりの日

部活動入部届

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「あのことは忘れなさい。」

「あぁあの、」

「いいから忘れなさい。記憶から抹消しなさい。」

「はい、、すみませんでした。」

あのハプニングから数日経ち
洸は教室にいた。机に座り一枚の紙と睨めっこしていた。部活動入部届。
これを書けば部活動は決定され、晴れて入部できる仕組みになっているのだ。

しかし、本当に吹奏楽部にするかどうかまだ迷い中であり、書いては消して書いては消してを繰り返している。

すると「早く吹奏楽部って書いちまえよ。」

大海が話しかけてきた。

「もしかして怖いのか?」

「違うよ。」

林先生。俺はどうしたらいいですか。
そんなことを思いながら悩んでいる。しかし林先生はこの場にいない。

「もしかして同じ中学のやつがいないからとか?」

「別にそういうことじゃないんだけど。」

「だったらもう一回行ってみる?洸はあのコンサート以来、一回も言ってないだろ。」


「まぁそれもそうだな。」

「じゃあ今から行こうぜ。」

「そうだな。」

「大崎ももしよかったら行かない?」

隣の席に座っていた若菜に声をかける。
すると冷たい目で洸を見る。

「今日はいい。」

「そうか。わかった。」

教室を出て吹奏楽部の部室に向かう。

「お前らなんかあった?いつのまにか仲良くなってるし。お前も隅におけねぇな。」

「うるさい。」

そんなことを話しつつ部室に向かう。
大崎若菜と朝花は吹奏楽部に入るだろう。
実力はあるし、やっていける。

しかし俺はやるなら上を目指したい。そのためには北浜がどこまでの目標を持っているのかが重要だ。やる気はあるのか。
どこまで考えてるのか。それを知りたい。

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