上 下
2 / 577
プロローグ 最後のコンクール

これから何をするか、

しおりを挟む
「雨宮!ちょっといいか!」
放課後、給食も食べ終わり担任の林先生に呼び出しをくらった。
くらったという言い方は失礼だが呼び出されたのだ。

部活も引退し11月になりすっかり秋風を感じる季節になっていた。なぜ呼び出されたのかというとあのことしかない。




「雨宮!進路希望届け書いてなかったぞ。お前行きたい高校とかあるのか?お前の成績だったらもう少し頑張れば上位の高校も狙えなくもないぞ。」

担任の林先生が自分にまっすぐ向いて聞いてくる。流石にまだ考えてないと言えるはずがないので、冗談まじりに返答する。


「いやーー!台風は進路決まってていいですよね。そういえば今年の10月は台風こないですねーーーー。」

その瞬間お腹に強い衝撃まるでボクシング選手の強烈パンチをお見舞いされた。痛い、、。

「真面目に聞け!前はあんなに吹奏楽に熱中してたのに。吹奏楽部の強い高校とか興味ないのか?」

「別に吹奏楽はもういいですね。やりたくないですよ。もう好きじゃなくなったので!俺は楽しくやれればいいんですよ!」 

林先生はジロっと上目でこちらを見る。

「好きなことを楽しくやるのは嫌いなことも我慢しなくちゃできないよ。楽しくやれればいいなんてのは子供の言うことだ!」

「先生だって結婚してないのにつべこべ言われるのは俺だっていやですよ。」と聞こえないようにいったのだが二発目のパンチが腹に刺さった。

「痛いなぁ、、。泣」

「まぁ私は吹奏楽部の副顧問だ。それに君の担任でもある。最後まで面倒見るのは義務教育の務めだ。そうだ。確か君にオススメの高校を紹介してあげようと思ったんだ!」

「はぁ、、、」ため息まじりになんでこの人は俺ばっかり見てくれるんだろう。まぁいい先生なんだけど。

「雨宮!人は何かやらなくちゃいけないことがあるはずだ。高校3年間なんてあっという間だ。楽しいことたくさんあるぞ!」





そんなことを話しつつ進路という誰も好きじゃないこの言葉。自分の将来なんて中学生の自分がわかるわけないだろ。タイムマシンなんかあるわけないだろと不満を募らせつつ、
進路先を決める雨宮洸なのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

若妻の穴を堪能する夫の話

かめのこたろう
現代文学
内容は題名の通りです。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

処理中です...