Words of love 〜αとΩ番の誓い〜

浅葱

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変化

入院

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ーside 真琴ー

多分免疫低下が原因だろう、マイコプラズマ肺炎に罹患して義兄あにの勤める病院へ入院する羽目になった僕…。
奏先生や理さんに、迷惑をかけちゃったな…。

乾いた咳が、時間を追う毎に激しくなり、ゼーゼー言うし、熱も薬を飲んでも対して下がらずおちおち寝ることもできない状況で、病院のベッドの上で考えることは、後ろ向きな考えばかりになってしまう。
入院して2日目、理さんが様子を見に来てくれたけど、全然熱が下がらなかった僕は返事をすることすら億劫でひたすら朦朧としている状態だった。
身体をポンポンとしてくれる心地良さを感じて、ウトウトしていた。
理さんの、暖かい手の温もりを感じると、何故か呼吸も楽になって少しの間落ち着いて眠れる状態だった。

理さんは、3日も開けずに僕の元に面会に来てくれていた。
入院して5日目頃からは、咳が急激に酷くなり咳き込むだけで筋肉痛のような痛みも出始めた。
義兄にいさんが、強めの咳止めを処方してくれた。
薬が効いている間は、咳が少し落ち着いて楽になるけども、薬が切れ始めると覿面てきめんに咳が出だすを繰り返した。
強い咳止めを服用していると、副作用で便秘になると言われるが、満足に食事も食べれていない僕は、点滴で栄養を補って貰っている状態だ。それでも、少しづつ水分やアイスなど、限られた物ではあるが口にすることができる様になりつつあった。

入院して1週間目には、一時的に解熱して平熱に近い状態になる事もあったが、それでも咳は治る気配が無かった。
熱が下がっている時に、菱沼教授にメールで連絡を取った。
現在、マイコプラズマ肺炎で入院している事を伝え、眼の症状が出始めていること、記憶障害の症状もなんとなく出ている様だと伝え、退院したらそちらの病院に入院して手術を受ける方向で考えている事を記した。
こちらの病院へは、休職願いを出して行く予定にしている事、院長と家族以外には病気のことを伝えるつもりがない事も明記した。
理さんには、黙って行くつもりだ。

メールを送信し、その日の夕方には、菱沼教授から退院の目処がたったら連絡をして欲しい、受け入れ準備をすると返信があった。
夜、当直だった義兄にいさんが様子を見にきてくれたので、僕は家族にもまだ伝えていない僕の病についてありのままを伝えた。
義兄にいさんは、驚いていたが守秘義務もあるからと、姉さんや実兄、両親へはちゃんと自分で話す様に…、と言って、退院時には菱沼教授宛てに経過を書いた紹介状を持たせてくれると、言ってくれた。
義兄にいさんに、両親と実兄、姉さんに揃って一度病院へ来てもらう様に伝えて欲しいとお願いすると、翌日の昼には全員揃って病院に来てくれた。

事情を説明すると、皆んな押し黙ってしまったが、僕の決めた方針には誰1人として反対はしなかった。
何かあった時には、みんなに迷惑をかけるだろうけど、バックアップ体制を整えてくれると父さんが言ってくれ、手術前後は母が付き添ってくれると申し出てくれた。
Saegusa medicalでも、医療機器のバックアップ体制を取ってくれると兄さんが申し出てくれた。
東部医科大学にも、Saegusa medicalは機器納入しているから、菱沼教授には兄さんの方から申し出ておくと言ってくれた。
姉さんは、2人目がお腹に宿って間がないので、何も力になれないかも知れないけど、湊汰とお腹の子と一緒に真琴が元気になる様に祈ってるから、と言ってくれた。
最後に、この事は誰にも口外して欲しくない事を伝え、聖心医大病院には、迷惑をかけたくないから、と言う言葉を付け加えると、皆了承してくれた。

家族に話をして精神的に落ち着きホッとしたのもあったのか、みんなが帰った後、僕は久し振りにゆっくり休む事が出来た。
理さんが、面会に来ていた事も知らずに…。
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