Words of love 〜αとΩ番の誓い〜

浅葱

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トラブル発生

爆弾

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僕の脳には『脳腫瘍』という爆弾が潜んでいるのだ…。

アメリカを立つ半年前に行った検診で、初めて見つかった。
脳のチェックまでは今まで行っていなかったが、検診項目に希望者のみ新たに追加されたので試しに受けた事で見つかったのだ。
流石に、その結果には僕も驚いたが、既に日本への帰国の手はずも進んでいた事もあり、キャロライン教授に頼んでこのことは伏せて頂く様にお願いした。
いよいよの状況になったら、教授に相談することを約束させられたけど…。

爆弾を抱えたまま、日本に帰国してから、結構なスピードで症状が進行している事に気付いた。
菱沼教授曰く、ホルモン剤の内服なども大きな要因の一つかもしれないと言われ、Ωである僕の体を少し恨んだのは事実だ…。

「一度、何かの名目で東部医科大学へ来院して検査を受けて現在の腫瘍の状況を確認して見る事が出来るといいのだが…」

と菱沼教授に言われた。
発情ヒートの事もあり、また仕事の調整をしなければ赴く事が出来ない事を承知の上で、

「七草先生を東部医科大側から後進への指導という目的で招致するという手では如何だろう?そうすれば、大手を振ってこちらに来て頂く事も可能だろう?本来ならそう言った手段を使うのは余り良くないのかも知れないが、背に腹は変えられんだろ?招致期間の間の空いた時間を使って、検査を進めれる様に手配しよう。それでどうだろうか?こちらとしては、キャロライン教授の愛弟子の講義を受けれると、歓喜する医師がたくさんいるから、win-winだろ?」

と提案された。
僕は、深く頭を下げて、

「よろしく御願いします。」

と言うしかなかった。
菱沼教授は、

「帰ったら、早速循環器や心臓血管外科の教授に相談して早めに招致の依頼をそちらの院長と部長宛に打診するよ。後進のための講義も是非充実させたものを頼むよ。」

嫌な顔一つせずに申し出てくれた事に、感謝しかない。

「上司には今日の面会で講義の打診をされたので、ひょっとしたら打診があるかも知れないと、言っておくといいよ。いきなり、こちらから連絡が行けば驚かれるだろうからね。」

とアドバイスまで頂いた。

「分かりました。司波部長には、それとなくお伝えしておきます。僕の今の指導医ですし…。」

と付け加えて伝えれば、

「司波の息子の下で働いているのか…。それは大変だな…。」

と言われた。
話を聞けば、菱沼教授は、理先生たちのお父さんと医大の同期だったそうで研修医時代は腕を競ったそうだ。
新たな縁が繋がってしまったのは、言うまでもない。
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